上原にエース待遇!“オレ流調整”OK

[ 2009年1月27日 06:00 ]

 まさにエース特権だ。オリオールズのデーブ・トレンブリー監督(57)が25日(日本時間26日)、本紙の電話インタビューに応じ、上原浩治投手(33)に関して入団後初めてコメント。調整法を全面的に容認する姿勢を示した。徹底した球数制限を筆頭に、練習内容をすべて管理する傾向が強い大リーグにおいては極めて異例。上原に対する期待の大きさをうかがわせた。

 球団初の日本人選手となった112勝右腕に対し、初めて公に口を開いたトレンブリー監督。フロリダの自宅で応じた電話インタビューでは「早く目の前で投げるところを見たい」と声を弾ませ、調整法に関して早くも“エース特権”を与えた。

 「われわれはコージの考えや提案を受け入れる用意がある。マクフェイル社長も同意見だ。調整方法を強いる考えはない。大切なのは成功できるように環境を整えること」

 上原はキャンプではブルペンでとことん投げ込む日を設ける半面、シーズンは遠投中心。キャンプも球数を制限し、開幕後もブルペンで“管理”する米国流とは大きく異なる。レッドソックス・松坂はキャンプ中のブルペンで投げられない分を遠投で補うなど日米の調整をミックス。ドジャース・黒田は“郷に入れば郷に従え”で完全に米国流に合わせただけに、調整法の“全権委任”は異例中の異例といえる。

 「ビデオで制球がいいこと、ストライクをどんどん投げ込むタイプであることは確認済み。シーズンを通して中4日のローテーションを守り、試合終盤まで投げ、チームに勝つチャンスを与えてほしい」。昨季チームは延べ492人とア・リーグ最多の救援投手を使い、9月に5勝19敗とスタミナ切れ。200投球回を目標にする上原が、今季巻き返しのカギを握る。97年を最後にポストシーズンから遠ざかり、同地区内には強豪ぞろいのオ軍。「巨人はヤンキースと同じで、常に勝つことを求められてきたとか。巨人で身につけた常勝チームのメンタリティーを、ウチの若い選手に教えてほしい」。昨季10勝のガスリーとの2本柱に指名された上原が“オレ流調整”でメジャー1年目に挑む。

 ◆デーブ・トレンブリー 1951年10月31日、ニューヨーク州生まれの57歳。77年からロサンゼルスの高校で教師をしながら野球部コーチを務める。その後大学コーチ、カブスのスカウトを経て、マイナー監督を20年間経験。07年にオリオールズのブルペンコーチに就任し、同6月に前監督解任に伴い代行監督に。同8月に監督に正式就任した。メジャー、マイナーで出場経験のないメジャー監督は史上7人目。

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2009年1月27日のニュース