ロッテ非情通告!ボビー来季限り

[ 2008年12月22日 06:00 ]

バレンタイン監督はマリン球場に集まった大勢の報道陣にウンザリした表情を見せる

 ロッテの瀬戸山隆三球団社長(55)は21日、千葉市内のホテルでボビー・バレンタイン監督(58)に来季の成績にかかわらず10年以降は契約を結ばない旨を通告した。09年で4年契約が満了するとはいえ、シーズン前から監督の退団が決まっているのは極めて異例。05年に31年ぶりの日本一に輝いたバレンタイン監督は、球団フロントと対立の末、日本での采配最終年を迎える。

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 威勢のいいボビー節は最後まで影を潜めた。千葉マリンに到着したバレンタイン監督はショックを押し隠すように、努めて明るく切り出した。「驚いたけど常に愛するロッテがいい方向に進むことを望んでます。私がいなくなることが最善というのなら賛同する」
 この日午前、バレンタイン監督は千葉市内のホテルで瀬戸山社長と会談。冒頭で10年以降の契約を結ばないと通告されていた。事実上の解任に等しかった。瀬戸山社長は「決まったことは速やかに報告した方がいい。チームも球団も大改革していく必要がある。バレンタイン体制は来年まで。日本一になってもそれは変わらない」と説明した。
 前代未聞、年が明ける前の通告の背景には球団―監督間の根深い対立がある。万年Bクラスだったチームを04年から再び指揮したバレンタイン監督は大胆な采配と、豊富なデータ分析で翌年、31年ぶりの日本一に導いた。明るいキャラクターに引っ張られ観客動員も急上昇。しかし4年契約を結び直した05年オフ以降、1年5億円の高年俸に加え、フロントの意向を無視する発言が目立ち蜜月関係も消えていった。くすぶり続けた火種が爆発したのは今年9月だ。10年以降の契約再延長を熱望した指揮官は「フロントから辞職勧告を受けた」と発言。だが実情は逆で、その1カ月前には瀬戸山社長へ辞任を勧める話をしたという。
 そこに韓国・斗山の金東柱(キム・ドンジュ)の身分照会を報告しないまま進めた件が発覚。結局、金東柱獲得も消滅したが指揮官が「間違いを犯した。(退任の)要因になったとも考えられる」と振り返ったように、これをきっかけにフロントが攻勢に転じ、契約更新しないことへ一気に傾いた。瀬戸山社長は15、16日に重光オーナー、重光オーナー代行とトップ会談。指揮官の後ろ盾だった重光代行もフロントを支持した。
 どんなに好成績を挙げても、指揮官の退任が決まっている09年。選手のモチベーションに影響するのは必至だ。ファンに理解を得られる行動とも思えない。
 22日に帰国する指揮官はこのまま采配を振る意向を示したが、シーズンを全うする可能性は高くない。開幕前にチームを去ることも予想される。その場合は西村ヘッドコーチが監督代行を務めるが、球団はチーム改革と同時に新監督候補の絞り込みも並行して進めなければならない。“新生ロッテ”は何ともいびつな形で09年に突入する。

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2008年12月22日のニュース