福留、同点3ラン デビュー戦で3安打

[ 2008年4月1日 07:30 ]

9回に同点本塁打を放った福留

 カブスの福留孝介外野手は31日、シカゴで行われたブルワーズとの開幕戦に「5番・右翼」で先発出場、0―3の9回裏、中堅右に同点の1号3点本塁打を放った。

 日本選手がデビュー戦で本塁打を放ったのは2004年の松井稼頭央内野手(当時メッツ)以来。福留選手は初打席で中越え二塁打した後、四球、中前打、本塁打と3打数3安打3打点の大活躍だった。チームは延長10回、3―4で敗れた。

 ≪福留が鮮烈デビュー≫3点を追う9回無死一、二塁。デビュー戦で既に2安打の福留が打席に向かった。勝利を信じるファンが総立ちで迎える。カウント1―3からの5球目はコースの甘い直球。完ぺきなタイミングでたたいた打球は、中堅右のスタンドに飛び込む3ラン。背番号「1」の鮮烈なデビューに拍手がいつまでも鳴りやまず、地元ファンの“カーテンコール”に応えた。
 雨で試合開始が40分遅れた。3回途中にも中断したが、福留は「そういうものだと思って準備していた」と集中を切らさなかった。1打席目は初球を中越え二塁打。四球を挟み7回にも初球を中前打した。「フクドメ・コール」を受けての打席に「うれしかった」。地元ファンに受け入れられた声援を素直に喜んだ。
 オープン戦の打率が2割7分。シーズン直前には、打撃が完ぺきでないと認めていたが「(足りない部分が)開幕戦で、はまるかもしれない」とも話していた。福留は「日本でやったことと変えたことはない。やってきたことしかできない。それができた一日だった」と振り返った。
 ただ、チームは1点差の敗戦。「やっぱりチームが勝たないと意味がなくなってしまう」と、会見で笑みは見せなかった。4800万ドルで請われたのは、100年ぶりのワールドシリーズ制覇のため。福留はデビュー戦の活躍では浮かれない、頼もしい新人だった。

 ≪「偶然だぞ」…誤訳で応援≫リグリー・フィールドのスタンドに「FUKUDOME」の横断幕が広がるなど、ファンも懸命の声援を送った。しかし、中には「はてな」と首をかしげたくなるようなボードも。
 「Its Gonna Happen(さあ、起こるぞ)」という、米国ではよく使われるフレーズが書かれた裏側に「偶然だぞ」の日本語。福留が安打を放つ度に、これが振られた。
 地元のシカゴ・トリビューン紙(電子版)は、これが誤訳であると指摘した上で「福留の活躍は偶然じゃない」。

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2008年4月1日のニュース