素根輝 初出場で金メダル! 04年アテネの塚田真希以来となる女子78キロ超級の頂点に

[ 2021年7月30日 18:40 ]

東京五輪第8日 柔道女子78キロ級 ( 2021年7月30日    日本武道館 )

女子78キロ超級で優勝した素根輝(ロイター)

 柔道女子78キロ超級代表の素根輝(21=日大)が、決勝で前回のリオデジャネイロ五輪で銀メダルのイダリス・オルティス(キューバ)を破り、金メダルを獲得した。同階級の日本勢では04年アテネ五輪の塚田真希以来となる頂点。五輪初出場で大仕事をやってのけた。今大会の柔道ニッポンは9個目、女子に限れば4個目の金メダルとなった。

 初戦となった2回戦でラズ・ヘルシュコ(イスラエル)に体落としで一本勝ち。続く準々決勝ではカイラ・サイト(トルコ)に合わせ技で一本勝ちした。さらに準決勝でも体格で大きく上回るイリーナ・キンゼルスカ(アゼルバイジャン)に合わせ技一本で快勝。安定感のある試合運びで勝ち進んでいた。25日には同じ00年7月生まれの阿部詩が女子52キロ級で金メダルを獲得。昔からライバルとして刺激しあってきた同級生と同じ色のメダルを手にした。

 素根は南筑高から五輪王者の古賀稔彦氏(享年53)が総監督を務めていた環太平洋大に入学。そして19年8月31日に行われた世界選手権で五輪3大会連続メダルを獲得しているイダリス・オルティス(キューバ)を破る金星で初出場初優勝。続く11月に行われた柔道グランドスラム(GS)大阪大会でも優勝し、史上最速の五輪内定を決めた。

 競技に専念したいとの理由で、昨年7月いっぱいで環太平洋大を自主退学。しばらくは母校の福岡・南筑高を練習拠点にしていたが、五輪代表を決めた大会から1年以上も実戦から離れていた。だが、1年4カ月ぶりの実戦復帰となったグランドスラム・タシケント大会では4試合をオール一本で制す圧巻の強さでブランクを感じさせなかった。今年4月から実業団のパーク24に入社し、日大スポーツ科学部に入学するなど紆余曲折を経た苦労人が金メダルを勝ち取った。

 ◆素根 輝(そね・あきら)2000年(平12)7月9日生まれ、福岡県久留米市出身。7歳から柔道を始める。田主丸中、南筑と進み、環太平洋大に進学も自主退学し、今年4月から日大に進学。活動拠点はパーク24。主な戦績は19年世界選手権、グランドスラム大阪(ともに78キロ超級)で金など。得意技は大内刈り、体落とし。1メートル63、110キロ。

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