服部道子が初の自著出版!金言から「好転力」

[ 2021年7月30日 05:30 ]

自著を手にする服部道子
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 東京五輪女子日本代表の服部道子コーチ(52)が、初めての著書となる「好転力」(世界文化社)を上梓した。現役時代の経験や出会った人の話などを通して、混沌とした時代を生き抜くヒントを紹介している。東京五輪のゴルフ競技はきょう29日に男子、8月4日に女子が開幕する。メダル獲得に挑む選手を力強くサポートする服部コーチに、自著出版に込めた思いを聞いた。

 コロナ禍もあり、なかなか先行きが見通せない不安な時代。タイトルの「好転力」は、読者が前向きに生活していく上で、気付きのヒントに少しでもなればと、服部コーチが自ら考えたものだ。

 「物事は心の持ちようで違って見えますよね。ゴルフと人生は似ているとよく言われますが、難しい状況に陥ったときでも、自分がどう考えるかで結果は違ってくると思います。ゴルフをやっていると、そうした事を本当にたくさん経験します」

 著書には服部コーチが10歳でゴルフを始めてから、これまで出会った指導者や一流アスリート、企業経営者らから聞いた金言などが、簡潔で分かりやすい文体でまとめられている。また、尾崎将司や樋口久子さん、岡本綾子さんらゴルフ界のレジェンドに加え将棋の羽生善治九段や渋野日向子ら話題の選手についても触れられている。

 「私がそうした皆さんからいただいた言葉は、時代が変わっても不変なものだと思っています。ゴルフのことが中心ではありますが、プレーされない方にも十分に分かっていただけるように書いています」

 結婚、出産を経て現在は解説者などの仕事に復帰。公私で多忙な日々を送っているが、恩師や両親の教えが道標になり、家庭生活と仕事の両立に役立っているという。そうした貴重な話も本書に盛り込まれている。

 「今は少子化ということで、ますます女性の活躍が必要とされる状況です。生活と仕事のバランスという意味でも、女性のみなさんにもぜひ読んでもらえたら…」

 印象的なエピソードがある。プロ入り当初、勝てない時期が続いたときに、プロ野球で3度の三冠王に輝いた落合博満氏から掛けられた言葉が転機になったという話だ。初対面の落合氏に、プロとしての覚悟の足りなさを指摘され「一番苦手なことをやり続けなさい」とアドバイスを受けた。それ以降、練習方法や生活態度を見直し、受け身だった日々の姿勢を能動的に変えたことで、落合氏との出会いから3週間後に初優勝を果たした。まさに〝好転力〟を象徴するような出来事だった。

 「ここに書いたストーリーや一つ一つの言葉を、今は物事がうまく進まないけど、頑張っている方々に読んでいただいて、何かのきっかけにしてもらえたらうれしいですね」

 今月中旬の発売で既に重版になり、関係者の間でも評判になっているが、印税はすべて寄付する考え。「ゴルフ界やスポーツ界の発展のために使っていただければと思っています」。その誠実な人柄と〝好転力〟で、育ててもらった社会への恩返しをこれからも続けていく。


 ○…東京五輪に向け服部コーチは「目指すのは男女ともに金メダルです」と力を込める。男子は松山がマスターズを制覇し、女子も畑岡が2年ぶりの米ツアー優勝を飾るなど好調。会場の霞ケ関CCはセカンドショットの精度がスコアメークの鍵を握るが「畑岡選手と稲見選手は日本が誇るショットメーカー。コースに凄く合っていると思います。湿気の多い暑さにも慣れているので地の利もあります」と期待している。

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2021年7月30日のニュース