“お疲れ”錦織、ジョコに完敗 連続メダルならず「完璧な試合された」

[ 2021年7月30日 05:30 ]

東京五輪第7日 テニス ( 2021年7月29日    有明テニスの森公園 )

ジョコビッチ戦の第2セット、浮かない表情を見せる錦織(撮影・小海途 良幹)
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 日本のエースが散った。男子シングルス準々決勝で、世界ランク69位の錦織圭(31=日清食品)は、第1シードのノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)に2―6、0―6で完敗。16年リオデジャネイロ五輪銅に続くメダル獲得はならなかった。ジョコビッチは4大大会&五輪制覇のゴールデンスラム達成に前進した。

 有明のコートを去る錦織が、目を閉じて大きく息をついた。今年の全豪、全仏、ウィンブルドンを制してゴールデンスラムへ突き進むジョコビッチにストレート負け。「ベストのプレーができなかったのはあるけど、彼(ジョコビッチ)のディフェンスが素晴らしかった。ほぼ完璧な試合をされた」。完敗を認めるしかなかった。

 日中は酷暑、日が暮れても蒸し暑いTOKYOの夢舞台。5日間で6試合を戦った錦織と、4試合のジョコビッチではエネルギーの残量も違った。「ラリーで食らいついていく作戦でいったけど…」。第1セットを2―6で落とすと、第2セットに待っていたのは屈辱の展開だった。

 第1ゲームにこの日、唯一のブレークポイントを握ったが、ギアを上げた世界王者から取り切れない。「思い切りプレーされて、どうしようもなかった」。その後は1ゲームも奪えず0―6。08年北京から4大会連続出場の五輪で、シングルス13試合目にして初の“ベーグル”を食らった。

 16年リオに続くメダルには届かなかったが、1回戦では世界7位のルブレフ(ロシア)を下すなど収穫も大きかった。「なかなかない感覚を取り戻せた」。5月、コロナ下での五輪開催を疑問視するコメントも発したが、この日は「出て良かったか」と問われ「はい」と即答。「悔しさはあるけど、充実した1週間だった」。つかんだ手応えはきっと、ツアーでの戦いに生きてくる。

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