17歳松田詩野 東京五輪へ宮崎から乗るビッグウェーブ

[ 2019年10月2日 05:30 ]

昨年の大会で華麗なライディングをみせる松田
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 2020年東京五輪で採用されるサーフィンの女子プロ大会「white buffalo HYUGA Pro QS3000」が10月16~20日、宮崎県日向市のお倉ケ浜海水浴場で開催される。シーズンも終盤を迎え総合順位争いが激化する中、9月のワールドゲームズ(WG)で東京五輪の条件付き出場権を獲得した松田詩野が優勝を狙う。今、最も波に乗っている17歳が、日本屈指の人気サーフスポットを制す。

 今季シニアデビューした新星の快進撃は止まらない。今年5月のジャパンオープンで初代女王に輝くと、9月に宮崎県宮崎市の木崎浜海岸で行われた世界選手権に相当するワールドゲームズ(WG)で、アジア選手最上位の15位に入り、東京五輪へ条件付き出場権を獲得。「波も自然相手。どんなことが海の中で起こるか分からないけど楽しい」とサーフィンの魅力を語るニューヒロインが、今度はお倉ケ浜で華麗なライディングを見せる。

 プロ大会を主催するワールドサーフィンリーグ(WSL)の最高位シリーズが、松田も昇格を目指すチャンピオンシップツアー(CT)だ。その登竜門がクオリファイリングシリーズ(QS)で、QS3000は女子で3番手の格付けを誇り世界中からトップレベルのサーファーが集結する。4年前から日本でも開幕し、過去3大会の優勝はいずれも海外選手。実力に加え勢いのある松田に、本大会初の日本人優勝への期待が集まる。

 同所で行われた昨年大会では、波形が崩れやすいオンショア(海から陸への風)の厳しい環境下でCT選手を撃破。「自分から動いていい波に乗れた。自信になりました」と好相性を口にする。女子で五輪に最も近い位置にいるサーファーとして、負けられない戦いに挑む。

 ◆松田 詩野(まつだ・しの)2002年(平14)8月13日生まれ、神奈川県出身の17歳。地元のスクールで6歳でサーフィンを始め、16年に全日本初制覇。18年世界ジュニア選手権で個人準優勝を果たし、団体優勝に大きく貢献した。趣味は映画観賞。1メートル58。

 ≪見どころ QS最高ランク覇者・都筑、脇田&前田らにも注目≫今大会は9月にQSの最高ランク大会で日本人初の優勝を果たした都筑有夢路(あむろ、18)の凱旋試合でもある。現在QS年間ランク8位で、今季9位以内に入れば、日本女子初のCT選手になる可能性もある。一方で日本代表「波乗りジャパン」の脇田紗良や前田マヒナも、今大会で優勝すれば都筑のランキングを逆転できるチャンス。東京五輪の代表切符を巡り、熾烈(しれつ)なレースとなることは必至だ。今年から同時開催が決まった男子は、松田とともに条件付き出場権を獲得した村上舜も出場予定だ。

 ◆行かれる方へ JR日向市駅から高鍋行きバスで15分、宮ノ上で下車。徒歩4分。駐車場あり。約360台分のスペースがある。お倉ケ浜は「日本の渚百選」に選ばれた4キロに及ぶ白砂のビーチで、ハマグリの産地としても有名。九州におけるサーフィンのメッカ。

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