小平 平昌五輪後多忙も…女子500メートル貫禄の26連勝

[ 2018年3月4日 05:30 ]

スピードスケート世界スプリント選手権第1日 ( 2018年3月3日    中国・長春市 )

 女子500メートル 滑走する小平奈緒=長春(共同)
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 平昌五輪女子500メートルで金、同1000メートルで銀メダルに輝いた小平奈緒(31=相沢病院)が女子500メートルでリンク記録となる37秒23をマークして1位になった。同種目26連勝を飾るとともに、1000メートルでも1分15秒68の4位で総合首位に立ち、2連覇へ向け好スタートを切った。平昌五輪1000メートル金メダルのヨリン・テルモルス(28=オランダ)が0・21差で総合2位。郷亜里砂(30=イヨテツク)は500メートル4位、1000メートル16位の総合10位だった。

 “新女帝”が貫禄のスタートを切った。五輪後に迎えた最初のレース。世界を制した女子500メートルで、最初の100メートルを全体トップの10秒26で通過すると、低地では好タイムとなる37秒23を叩き出した。目標のリンク記録を0秒75も更新。五輪新となった平昌の36秒94には届かなかったが、出場21人中トップで同種目26連勝。2位ゴリコワ(ロシア)に0秒55差と格の違いを見せつけた。

 無敵の種目で快走を見せた一方、1時間50分後の1000メートルは4位にとどまった。2日から風邪気味で微熱もあったようで「五輪の時のような輝きを見せたい」と思い描いた滑りではなかった。平昌から2月26日午後に帰国し、報告会や解団式をこなして28日午前に中国へ移動。「知らない間に、たまった疲れが結構ある」と本音を漏らした。

 それでも、日本勢初の総合2連覇へ、上々の滑り出しだ。2日間合計4レースを滑り、タイムを得点化したポイントで順位を争う今大会。昨年は日本選手として1987年の黒岩彰以来30年ぶりとなる総合優勝を果たして夢舞台につないだ。体調不良でも、五輪で金、銀のメダルに輝いた小平が断然の優勝候補に変わりない。

 500メートルで圧倒的優位を確保し、きょう4日は残り2レースに臨む。風邪の影響で「喉がつぶれそうだった。(レース)後半は呼吸が苦しくなった」と珍しく弱音を吐き、せきをする姿もあった。それでも五輪女王は「一本一本を大事にして最後まで乗り切りたい」と自らに言い聞かせるように、気持ちを切り替えた。

 ▽世界スプリント選手権 種目ごとにメダルを争う五輪とは違い、500メートルと1000メートルを2日間で各2レース、計4レース滑り、タイムをポイント化した総合得点で争う短距離スケーター世界No・1決定戦。500メートルは36秒75なら36・75といった具合に、秒数がそのまま得点に反映されるが1000メートルは秒数の2分の1となる。4レース合計の総合得点が少ない順で順位が決まる。70年に第1回大会が行われ72年から現在の大会名称となった。

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