羽生、悪くないSP2位 4回転ルッツ初挑戦、フリーで逆転だ

[ 2017年10月21日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第1戦ロシア杯 ( 2017年10月20日    ロシア・モスクワ )

ロシア杯男子SP「バラード第1番」の曲に乗り貫禄の演技を見せた羽生(撮影・小海途 良幹)
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 GPシリーズが開幕し、男子ショートプログラム(SP)で、羽生結弦(22=ANA)は94・85点で2位発進となった。2つのジャンプでミスが出て、首位のネーサン・チェン(18=米国)に5・69点差をつけられた。4回転ルッツに初挑戦する21日のフリーで逆転優勝を狙う。

 滑り終えた羽生は笑顔だった。自然にこぼれたのか無理につくったのか。笑っていたかったのは間違いない。「最後の表情を見てもらえば分かると思いますけど、そんなに悪くない失敗でした」。前向きな気持ちは失っていないが、ジャンプのミスが足を引っ張った。

 冒頭の4回転ループは体勢を崩して着氷し、回転不足となった。後半のトリプルアクセルはきれいに決めたが、続く連続ジャンプでもミスが出た。4回転トーループを跳んだ直後「(加点を狙って)手を上げるにはスピードが足りない。ちょっとした迷いがあった」と3回転トーループで転倒した。

 94・85点。9月オータム・クラシックで出した112・72点の世界最高得点より17・87点低かった。前戦で右膝に違和感が生じたため回避したループを再び取り入れ、さらに高得点が狙えるジャンプ構成だったものの、不発。「悔しい気持ちはあるけれど、集中してできている」と努めて冷静に語った。

 ライバルのチェンと5・69点差がついた。4回転ジャンプの成否が得点の大きなウエートを占める近年の男子のフィギュア界では十分な逆転圏内だ。フリーのプログラムは陰陽師の安倍晴明を演じる「SEIMEI」。今大会の公式パンフレットはケガなどを乗り越え進化を続ける羽生を「ジャパニーズ・マジシャン」と紹介した。

 フリーでは自身4種類目の4回転ジャンプとなるルッツに初挑戦する。「誰もがルッツを期待すると思うし、僕自身も期待している。期待やプレッシャーを受け止めて、勝ちに向かって貪欲に頑張りたい」。日本の魔術師は高難度の4回転ルッツ成功で逆転を狙う。

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