【岡崎真の目】羽生 ジャンプ失敗に左右されない集中力さすが

[ 2017年10月21日 09:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第1戦ロシア杯 ( 2017年10月20日    ロシア・モスクワ )

ロシア杯男子SP 演技を終えぺろりと舌を出す羽生(撮影・小海途 良幹)
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 世界最高得点を出したオータム・クラシックのSPと比較すると、全体的にスケートの滑らかさが足りないように映った。4回転ループは、踏み切り直前の滑りに伸びを欠いて上半身に頼ってしまい、軸が太くなった印象。転倒した4―3回転もスケートが滑っていない分、後ろの3回転が詰まってしまった。ただ、GOE(出来栄え)で全員が満点の3点を付けたトリプルアクセルの前後は抜群だった。

 昨季までの羽生はジャンプの失敗に左右され、集中を欠いて他の部分がおろそかになっていると感じる時もあった。だが、今季は違う。ミスが出たオータム・クラシックのフリーも、この日のSPも、丁寧に滑ってプログラムを大事にしている。

 21日のフリーでは、4回転ルッツに初挑戦すると聞く。ジャンプが一つ変わるだけで、全体の調和は変わってくる。4回転ルッツが入って、どれくらいプログラムをまとめることができるのか。練習ではなく試合で確認することは、今後につながるだろう。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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