ボミ2年連続賞金女王グイッ 笠と“直接対決”制し通算20勝

[ 2016年11月14日 05:30 ]

女子ゴルフツアー 伊藤園レディース最終日 ( 2016年11月13日    千葉県長南町 グレートアイランド倶楽部=6639ヤード、パー72 )

優勝カップを手に笑顔を見せるイ・ボミ

 2位から出たイ・ボミ(28=韓国)が4バーディー、1ボギーの69で回り通算10アンダーでホールアウト。笠りつ子(29=京セラ)とのプレーオフを2ホール目で制し、2年連続3度目の優勝を飾った。今季5勝目。韓国ツアーの永久シードが得られる通算20勝に到達。賞金1800万円を獲得し、2年連続の賞金女王に前進した。プロデビュー戦の畑岡奈紗(17=フリー)は通算2アンダーで26位だった。

 プレーオフ2ホール目。5メートルのバーディーパットを沈めたイ・ボミは胸の前で右手の拳を強く握った。過去プレーオフで2戦2敗と相性の悪かった笠に競り勝った。「幸せ。とてもうれしい」と満足そうにほほ笑んだ。

 単独首位で出た武尾が崩れ、3日間とも同組の笠との一騎打ちになった。1打リードで迎えた正規の18番。池の縁にあるピンを攻めてバーディーを奪ったライバルを見て「攻めていかないとバーディーは来ないし優勝もない。プレーオフは攻めていこう」と奮い立った。18番で行われた1ホール目は残り145ヤードから7Iでピン2メートルにぴたり。2ホール目は136ヤードから8Iで寄せてチャンスを築いた。

 今季5勝目だが、8月のCATレディース以来優勝から遠ざかっていた。五輪出場を狙い海外メジャーに挑んだ今季は日程が過密で夏以降疲労が取れなかった。渡辺吾児也(あるや)トレーナー(35)によると「トレーニングをやると筋力は落ちていないのにメンタル的な疲れで持続できなくなった」。そこでメニューの回数を減らすなどメンタルの回復を優先してきた。

 前週TOTOジャパンクラシックは49位に終わったが「米ツアーの選手は難しいピンを攻めていた。(自分は)最近安全なプレーばかりしていた」と攻める姿勢の重要性を再確認した。験担ぎもした。週明け7日、走った週は3戦3勝という縁起の良い千葉市内の公園でランニングを行った。

 節目の20勝。156試合での達成は歴代2位で、28歳84日での到達は歴代4位(88年ツアー制度施行後)。今季獲得賞金は1億7330万4764円となり、7勝した昨年に続く2億円突破も見えてきた。清水重憲キャディー(42)は「アプローチがうまくなりピンチでパーを拾えるので流れが途切れない。昨年より波が少ない」と証言する。進化を続けるイ・ボミが2年連続賞金女王の座に大きく近づいた。

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2016年11月14日のニュース