松山 王手!日本勢初世界選手権シリーズ制覇へ3差首位

[ 2016年10月30日 05:30 ]

世界選手権シリーズ HSBCチャンピオンズ第3日 ( 2016年10月29日    中国・上海 余山国際GC=7261ヤード、パー72 )

通算17アンダーで単独首位をキープした松山(AP)
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 日本勢初の世界選手権シリーズ制覇へ王手をかけた。単独首位から出た松山英樹(24=LEXUS)は4バーディー、ボギーなしの68とこの日もスコアを伸ばし、通算17アンダーの199で2位に3打差をつけて首位を守った。3打差の2位に昨年覇者のラッセル・ノックス(英国)が続いた。73の谷原秀人(37=国際スポーツ振興協会)は通算3オーバーの46位となった。

 最終18番パー5。松山は前週からバッグに入れた新1Wを豪快に振り抜くと、同組の2人を大きく引き離してフェアウエーに着弾した。ピンまで残り248ヤードの第2打は3Wのフェードボールでグリーンを捉える。後続を突き放すバーディーを楽々と奪ってグリーンを取り囲んだギャラリーからの歓声を浴び、「2打と3打差では大きく違う。いい位置」と笑顔をのぞかせた。

 予選ラウンドの2日間とは一転、少ない好機を生かす堅実なゴルフでスコアを伸ばした。4バーディーのうち3つはパー5で奪ったもの。4番はグリーン手前の難しいバンカーから巧みに寄せてパーでしのぐなど、ボギーなしでホールアウト。「ショットもパットも寄せも良くないが、でもうまくいっている部分がある」。フェアウエーキープ率は64・29%と前日より改善したが、パーオン率は66・67%と下がった。完璧主義の松山らしく手放しでは喜ばないが、世界ランキング10位の底力でスコアをつくった。

 米ツアーでの過去2勝はいずれもプレーオフを制しての逆転勝ち。今回は初めての追われる立場だが、「バーディーを取らないと勝てない」と最終日も攻めを貫く構えを見せる。距離が短く1オンが狙える16番パー4や18番などスコアの動きやすいホールが終盤に控えるだけに、勝負どころのマネジメントが重要となりそうだ。

 世界選手権シリーズの日本勢の最高位は、14年HSBCチャンピオンズの岩田寛で3位だ。日本勢初の優勝が目前に迫っているが、その価値について問われると「勝ってから話したい」とひとまず制した。「ベストを尽くすことだけを考えて残りの時間を大事にしたい」。そう話すと練習場に直行。日が暮れるまで打ち込むその姿は普段と変わらなかった。

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2016年10月30日のニュース