錦織は“進撃の圭”だ 巨人キリオスをストロークで威圧…松岡修造氏の目

[ 2016年4月3日 09:00 ]

手を伸ばしてリターンする錦織(AP)
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マイアミ・オープン男子シングルス準決勝 錦織6―3、7―5 キリオス

(4月1日 米フロリダ州マイアミ)
 1メートル78の圭にとって、1メートル93のキリオスは巨人だ。だがストローク戦になった途端に圭の方が巨人に見えた。肉体ではなく威圧感。ストロークにおいて全てをコントロールしていた。キリオスはサーブでしかポイントが取れていなかった。テニス選手にとって、これほど嫌なことはない。無理をする、力が入る、ダブルフォールトが出る。これからの成長が怖いキリオスに対して、圭は「君はまだ駄目だよ」と立ち上がらせなかった。“進撃の巨人”、いや“進撃の圭”だ。

 今大会はコートの内側に入って、とことん打っていく感覚が戻ってきている。間違いなくきっかけとなったのは先月のデ杯英国戦のアンディ・マリーとの試合だろう。敗れたとはいえ、圭のベストゲームに近い内容だった。2セットダウンに追い込まれたことで開き直って打ちまくり、そういう感覚とリズムを思い出したのだと思う。今の圭はストローク戦で心が動揺するところがない。ジョコビッチには5連敗と苦しんでいるが、絶対にチャンスはある。(スポーツキャスター)

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2016年4月3日のニュース