原沢初V!リオ大前進 直接対決でライバル七戸撃破

[ 2016年4月3日 05:30 ]

100キロ超級決勝、七戸(左)から内股で有効を奪う原沢

柔道全日本体重別選手権第1日

(4月2日 福岡国際センター)
 リオ五輪の最終選考会を兼ねて、男女7階級が行われた。男子100キロ超級では、原沢久喜(23=日本中央競馬会)が初優勝。決勝戦ではライバルの七戸龍(27=九州電力)から残り29秒、内股で有効を奪って優勢勝ちを収めた。同階級は29日の全日本選手権(日本武道館)が最終選考会となるが、直接対決に完勝したことで、代表入りに大きく前進した。3日に残り7階級が行われ、その後の強化委員会で男女の最重量級を除いた代表12人が決定する。

 前回のグランドスラム東京では、延長戦で指導1つの僅差。今回は内股で畳に転がした明確なポイント差。「はっきりしたポイントを取って、いいアピールになったと思う」。その差の違いの分だけ、原沢が大きくリオ五輪に近づいた。

 「大方考えていた通りにいった」という決勝戦。先に七戸に指導を与えて優位に立ち、その後は組み手で機先を制した。最後は万策尽きて飛び込んできた相手にカウンター気味の内股。「終盤でもああいう技を出せるのが強みかな」と消耗した相手との体力差まで想定して戦い抜いた。

 「まだ全日本もある。ここで喜んでいるようじゃ五輪はない」。2月のグランドスラム・パリで優勝して一歩先んじた代表レース。初めて追われる立場になったが、指導差での勝利が続いた七戸とは対照的に、1回戦、そしてロンドン五輪代表の上川との準決勝も一本勝ちを収めた。

 昨年4月に全日本選手権を制してから国内外で破竹の7大会連続優勝。「組み手の部分、準備の部分。2つの精度が上がった。1年前なら“これぐらいでいいかな”と思うところを今は徹底して対策を立てている」。男子代表の井上康生監督は「全日本選手権も期待が持てるし、その先においても心強い」と五輪への期待感も示した。ゴールテープは原沢のために用意されている。

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2016年4月3日のニュース