IOCコーツ委員長、新国立の進展評価 巨額整備費は問題視せず

[ 2015年7月1日 22:02 ]

 2020年東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会と大会組織委員会の合同会議が1日、東京都内で開かれた。会議後に記者会見した調整委のコーツ委員長は新国立競技場(東京都新宿区)の建設問題について「今週、主要組織間で(整備費などで)合意がなされた。契約に向けて会議も開かれる。すべてわれわれが望んだものだ」と進展を評価した。

 整備費が2520億円にまで増大したが、同委員長は「組織委予算の枠の外にある国のプロジェクトだ」と指摘。コスト削減を促進する中長期改革「五輪アジェンダ2020」に逆行するのではとの声に「五輪改革の原則の対象となる事象ではない」と、問題視しない姿勢を示した。

 大会全体の準備については「当面の主要な目標はすべて達成され、非常に大きな成功を収めている」と高く評価した。

 組織委が1次選考を終えて八つの候補に絞り込んだ追加種目については「(IOCに提案する)種目数、選手数については、われわれは柔軟に対応する」と述べた。

 コスト削減のために組織委と東京都が昨年から進めた会場計画の見直しでは、既存施設の活用が招致段階の計画の33%から50%に上がった点や、馬術やセーリングで新たに1964年東京五輪の会場を活用する点を評価。「変更を受け入れてくれた国際競技連盟に感謝したい」と語った。

 見直しの結果、選手村の半径8キロ圏内に会場の85%を配置する計画が66%に減少したとのデータを示しながらも、「コンパクトさは継続されている」と指摘。遠藤利明五輪相の就任も歓迎した。

 IOC調整委の来日は2回目。開催まで計10回訪れ、組織委と協力して準備を進める。

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2015年7月1日のニュース