白鵬 新大関・照ノ富士にノルマ“10勝”「豪快な相撲を」

[ 2015年7月1日 05:30 ]

河村名古屋市長(中央)を訪問した白鵬(左)と照ノ富士

 大相撲の名古屋場所(12日初日、愛知県体育館)を前にした30日、横綱・白鵬(30=宮城野部屋)が新大関・照ノ富士(23=伊勢ケ浜部屋)に看板力士としての心得を伝授した。名古屋市内で行われた力士会後には、成績に関して10勝以上を挙げなければならないことを厳命。その後、愛知県知事公館と名古屋市公館を2人で訪問した際には公の場での“大人の振る舞い”をアドバイスした。

 史上1位の優勝34回を誇る百戦錬磨の横綱は実に余裕だった。白鵬は力士会を終えると、12日後に迫った名古屋場所に向け「いつも通り。今までやってきたことをしっかり出せばいい。暑さと自分との闘いです」と自然体で調整を進めることを強調。そして、先場所に連覇を6で止められた照ノ富士について問われると「横綱、大関はそれなりの覚悟を持って土俵に上がらないといけない。10勝以上の成績を残さないと。豪快な相撲を取ってもらえれば」と新たな力への脅威を語るのではなく、アドバイスを送った。自身の新大関場所は14勝1敗で優勝。看板力士の先輩としてV争いに加わることが横綱、大関の役目であることを伝えた。

 その後、2人は大村秀章愛知県知事と河村たかし名古屋市長を訪問。地方場所前は毎回のようにあいさつ回りを行う横綱とは違い、新大関は初めてのことで緊張気味だった。知事から「名古屋は暑いでしょう?」と問われると白鵬は「自分は代謝がいいから汗がすぐに出てきますね」とクールに答えたが、照ノ富士は「寒い方がいいです」とぽつりとつぶやき、会話がストップ。そんな23歳に対し、30歳の横綱は「相撲を取って投げるんだよ」と耳打ち。にやりと笑った照ノ富士は先輩のアドバイス通りに知事、市長との会談後にそれぞれ相撲を取って豪快に投げて場を和ませた。これには市長も「照様はどえりゃあ迫力がある。横綱の方が柔和。ウエルカム、グッドラック」と自慢の名古屋弁と英語で称賛と激励の言葉を述べた。

 「先場所は悔しい思いはありましたが、もう忘れました。若手も出てきて役者がそろった。ここからエンジンを掛けていきますよ」と白鵬。あいさつ回りの次は、土俵の上で人生経験を見せつけるつもりだ。

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2015年7月1日のニュース