錦織 ジョコ流スライド勝 世界1位ステップ見て即座に参考

[ 2015年7月1日 05:30 ]

ジョコビッチ流で初戦突破!!右足を滑らせながらリターンする錦織

ウィンブルドン選手権第2日

(6月30日 英ロンドン・オールイングランド・クラブ)
 ケガにも負けず、4年連続で初戦を突破した。29日の男子シングルス1回戦で、世界ランキング5位で第5シードの錦織圭(25=日清食品)が同55位のシモーネ・ボレリ(29=イタリア)を6―3、6―7、6―2、3―6、6―3で下し、2回戦に進出した。痛めている左ふくらはぎのテープを巻き直す場面もあったが、サービスゲームに集中して接戦を制した。勝利から一夜明けた30日は、1日に予定されるサンティアゴ・ヒラルド(27=コロンビア)との2回戦に備えて練習した。

 3時間22分の激闘を制すると、錦織はやや疲れた表情で手を上げて歓声に応えた。「ホッとしたのが一番。油断できないし、1回戦にしてはより集中力が必要な試合だった」と一息ついた。

 第1セットの第1サーブ決定率は48%と悪かったが、3―3の第7ゲームでブレークして先取した。だが第2セットは勝負どころで選択ミスが出た。タイブレーク2―2で「少し相手の動きを見てしまって。あのポイントだけは悔やまれる」。このセットを失ったことで、先行しながら追いつかれる展開となった。

 ボレリとは昨年の3回戦で対戦し、日没順延に休養日を挟んで3日がかりとなった相手。再びフルセットとなったが、勝利は譲らなかった。最終セットは3ゲームを連取したところでメディカルタイムアウトを取り、痛めていた左ふくらはぎのテープを巻き直した。“白いハイソックス”のように膝に近いところまで巻き上げた。その後は動きが鈍くなったが、14本のエースを決めるなど「ほぼ完璧だった」という自身のサービスゲームに集中。3時間超の接戦を乗り切った。「(左ふくらはぎは)たぶん大丈夫。(ショットへの影響が)あっても言わない」。100%ではない中で死力を尽くした。

 収穫もある。試合前に世界1位のジョコビッチ(セルビア)の試合を見て「クレーコートでやってるのかなと思うくらいスライドがうまくて、俺もできたらなと思った」と即座に取り入れた。靴を滑らせるスライドステップは減速しながらショットを打つため筋への負担も軽減でき、次のプレーへ早く移れることから守備力向上にプラス材料となる。「今回は自由にコントロールしてスライドできるようになってうれしかった」。万全ではない中でもチャレンジできるあたりに、強心臓ぶりが表れていた。

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