20代1勝、30代5勝、40代10勝!藤田2年ぶりV!

[ 2014年4月28日 05:30 ]

18番、バンカーからアプローチショットを放つ藤田

男子ゴルフツアー つるやオープン最終日

(4月27日 兵庫県川西市 山の原ゴルフクラブ山の原コース=6804ヤード、パー71)
 12年賞金王の「中年の星」藤田寛之(44=葛城GC)が2年ぶりの勝利を、大会3度目の優勝で飾った。ツアー通算16勝目。首位と2打差の3位で出た最終日は11番でダブルボギーを叩くも、6バーディーで67をマーク。通算13アンダーで並んだ朴相賢(31=韓国)とのプレーオフは、1ホール目に相手がパーセーブできず決着がついた。40代となってからは10勝目。2桁を超えたのは史上5人目となった。
【最終成績】

 ベテランの味は冷静さに表れた。藤田の17番は、ラフから210ヤードを残す。ここで2オンを狙わず刻みにいった。

 「攻めにいって勝つのも格好いいけど、リスクも大きい。守りの藤田じゃないですけど、最後までしっかりプレーができた」。11番のダブルボギーから立ち直り、15番は“ベタピン”バーディー。16番はあと少しでホールインワンというスーパーショットで伸ばした。通算13アンダーで並んでいた朴相賢をリードするために、アクセルを踏んでもおかしくなかった。しかし、「ボギーだけは打っては駄目」。2オン狙いで失敗すれば池や深いラフに入る危険があった。あえて石橋を叩いて渡った。

 残り2ホールはパーだったが、結果的に読みは正しかった。プレーオフは藤田がパーでまとめたのに対しツアー未勝利の相手はもろさが出た。第1打をバンカーに入れ3オン。6メートルのパーパットを外し勝負がついた。

 通算16勝のうち、40歳からが10勝。20代が1勝、30代が5勝なのだから晩成タイプだ。40代以降にツアー2桁勝利を挙げたのは5人目。尾崎将、杉原、青木、尾崎直のレジェンドに並び「この名前の中に自分がいられるのが信じられない。自分のネームバリューはまだまだ。もっと追求したい」と向上心を見せた。

 「ボールの見え方もちょっと違う」と感じ始めるなど日々、年齢との闘いだ。体を維持するため大会中でもホテルの周囲を40分ほど走ることも珍しくない。今オフは昨年未勝利の悔しさを晴らすために体をいじめ抜いた。10年、20年前の練習に戻し、今年は「ズボンのウエストは絞ってもらってます」と胴回りがへこんだ。腰が速く回せられるようになって武器のフェードボールの切れが戻った。夢は3度目のマスターズ出場。藤田寛之、44歳。ゴールはまだ見えない。

続きを表示

この記事のフォト

2014年4月28日のニュース