豪栄道 全勝白鵬止めた 1勝20敗の“壁”攻め続け押し出し

[ 2013年9月25日 06:00 ]

白鵬に勝利し笑顔の豪栄道

大相撲秋場所10日目

(9月24日 両国国技館)
 関脇・豪栄道が全勝の横綱・白鵬を押し出しで破り、館内を沸かせた。過去1勝20敗だった大きな壁に対し、終始攻め続ける会心の勝利。白鵬の独走に待ったをかけた。横綱・日馬富士、大関・稀勢の里も8勝目を挙げて勝ち越し。平幕・豊真将も1年ぶりに幕内で勝ち越しを決め、2敗は3人となった。

 館内に乱舞する座布団と、響き渡る豪栄道コール。白鵬の全勝を止めた殊勲の男は顔を紅潮させながら土俵上で大きく息を吐いた。支度部屋でも興奮は収まらず「ファンの皆さんが少しでも喜んでくれたら、やりがいがある」と満足顔だ。

 考え抜いた作戦がはまった。「横綱に左上手を取らせないように。(そのために)右は差さない」とあえて得意の形を封印した。立ち合いで当たると、白鵬は左に動きながら、とったりで揺さぶった。しかし「何度かやられていたので」と、慌てることはなかった。逆に懐に入り込んで頭を下げて突進。白鵬がいなし気味に左に引いても食らいつき、再び引いてくると右からの強烈な押し。上体が上ずった相手はあっさりと土俵を割った。秋場所を再び熱くさせる会心の勝利に「この勝ちを今後に結びつけて終わりたい」と胸を張った。

 先場所は直前に腰を痛め2勝7敗と苦しんだが、その後6連勝で関脇に踏みとどまった。今場所の支度部屋でこう言ったことがある。「先場所の苦しい経験が生きている」。危機を乗り越えて精神的にも強くなった。

 次の大関候補と言われて久しい。帰り際、「次の段階(大関)につなげたいか」と聞かれ「もちろん」ときっぱり。北の湖理事長(元横綱)も「ここで調子に乗らないといけない」と激励する。関脇の連続在位は9場所目。横綱撃破でひと皮むけるチャンスが到来した。

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