錦織 179位にストレート負け 欧州で燃え尽きた「活気沸いてこない」

[ 2013年8月28日 06:00 ]

男子シングルス1回戦 ダニエル・エバンズに敗れた錦織圭

全米オープン第1日

(8月26日  米ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)
 男子シングルス1回戦が行われ、世界ランク12位で第11シードの錦織圭(23=日清食品)が同179位のダニエル・エバンズ(23=英国)に4―6、4―6、2―6でストレート負けを喫した。4大大会で初戦敗退するのは11年の全米オープン以来2年ぶり。サーブが不調で格下に圧倒された。女子シングルスでは、クルム伊達公子(42=エステティックTBC)は敗退したが、大会初出場の奈良くるみ(21=大産大)が初戦を突破した。

 8本目となるダブルフォールト(サーブを2度失敗)で試合が終わると、錦織はうつむいたままコートを後にした。まさかの、そして早すぎる敗退。「(4大大会の)1回戦で負けるのは久しぶりなので変な感じ」と振り返る声にも覇気がなかった。

 エバンズはランクで179位。負けてはいけない相手だった。「相手のサーブが思ったよりも良くて、彼のフォアも良くて、想像以上だった」。終始主導権を握られるきっかけをつくったのはサーブの不調だった。

 錦織の今季の第1サーブ成功率は平均で63・6%。しかし、この日は54%に落ち込み、ゲームをつくれなかった。第2サーブでも38%しかポイントを取れない状況で「第1サーブが入らなかったのが全ての原因。ブレークしても簡単にキープできるゲームがなかった」と分析した。

 自己最高シードで挑んだ4大大会最終戦。全仏オープン16強や欧州ツアーで結果を出したことで、モチベーションが上がらず、ランキングの重圧もあったという。「試合の集中力が保てなくて、活気が沸いてこないというのが正直あった。(全仏やウィンブルドンなど)欧州の3カ月でやりきったという実感とその疲労もあった」。これまでの試合では世界で通用することを実証したが、一種の燃え尽き症候群になったことを認めた。

 目標とする世界ランクでのトップ10入りは来年以降に持ち越しとなりそうだが、今後も日本で国別対抗のデ杯、楽天オープンなどを予定している。「早く自信を取り戻したい」。世界で戦うための課題が明確になったことが、せめてもの救いかもしれない。

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2013年8月28日のニュース