無職の石津 メダル獲って「ヒモ」生活だ

[ 2012年7月20日 06:00 ]

公開練習を行う(左から)石津、古川、菊池

 “無職アーチャー”がメダルを射抜く。ロンドン五輪のアーチェリー男女日本代表が19日、都内で練習を公開。3月末で徳山大職員の契約が満了し、現在は無職の石津優(25=広島県協会)は、「団体戦ではメダルを狙って、個人は最後まで楽しみたい」と初の夢舞台へ闘志を高めた。

 “無職アーチャー”がメダルを射抜く。ロンドン五輪のアーチェリー男女日本代表が19日、都内で練習を公開。3月末で徳山大職員の契約が満了し、現在は無職の石津優(25=広島県協会)は、「団体戦ではメダルを狙って、個人は最後まで楽しみたい」と初の夢舞台へ闘志を高めた。

 五輪出場という夢を追うため4月以降、自身の貯金を切り崩し、激励金や知人からのカンパで活動費を捻出してきた。一人暮らしもやめて広島県の実家に住み、生活費も切り詰める。「外食は減ったし、ガソリンもハイオクからレギュラーになった」。矢や弦などの消耗品の購入は“ツケ”で、現在の借金は約60万円までふくらんだ。それでも、「お金がなくて大変だけど、後悔はしていない」と表情は明るい。

 無職のアスリートといえば男子マラソンの藤原新(30)が有名。藤原は2月の東京マラソンで五輪切符を獲得した後、ミキハウスとの所属契約などで約4000万円(推定)をゲットするなど成り上がった。「アーチェリーとマラソンではだいぶ違うと思いますけど」と話した石津は、五輪後の就職先について「ヒモ…」と答えて笑いを誘った。メダルを獲得すれば、スポンサーに名乗りを上げる企業は殺到するはずだ。

 ◆石津 優(いしづ・ゆう)1987年(昭62)4月8日、広島県廿日市出身の25歳。佐伯高でアーチェリーを始める。別府大卒業後、11年山口国体に向けた競技強化の一環で徳山大職員として招かれ、今年3月に契約が満了。主な実績は10、11年全日本選手権3位。1メートル68、66キロ。

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2012年7月20日のニュース