白鵬、北の湖抜いた!史上最速30場所で横綱400勝

[ 2012年7月20日 06:00 ]

白鵬(右)が押し出しで琴奨菊を下す

大相撲名古屋場所12日目

(7月19日 愛知県体育館)
 23回目の優勝を狙う白鵬が琴奨菊を一気の押し出しで下し、横綱として400勝目を挙げた。在位30場所での達成は北の湖の32場所を抜いて史上最速。大関・日馬富士も全勝を守り、追っていた2敗力士がいなくなったため、賜杯争いは直接対決を残す両者のマッチレースとなった。また審判部は、白鵬対日馬富士戦を千秋楽に組む意向を示唆。83年秋場所の隆の里対千代の富士以来29年ぶりとなる全勝相星決戦の可能性も出てきた。
【取組結果】

 どんな大横綱よりも早く節目の白星をつかんだ瞬間、白鵬は土俵上で目を閉じ「ふぅ」と息を吐いた。立ち合いで琴奨菊に左前みつを取られたが「体が動いている」と右から小手に振ってまわしを切ると、土俵外まで一気に押し出し。在位30場所で横綱400勝を達成し、支度部屋で「大きな数字を達成できて良かった」と素直に喜んだ。

 5年前の名古屋で横綱デビューを果たして以来、横綱としての勝率は8割9分5厘で、過去最高だった大鵬の8割5分8厘を大きく上回っている。また400勝達成時の負け数も大鵬よりも14敗少なく、これも史上最少。「時間がたつと地位の重みとか責任を感じている」。大記録をつくると同時に自らの成長を感じている。

 2敗力士が消えて優勝争いは日馬富士と一騎打ち。当初は日馬富士と12日目に対戦する予定だったが、審判部の朝日山副部長(元大関・大受)は「最後に一番いい取組をつくることを審判部は心懸けている」と千秋楽に組むことを示唆。83年秋場所の隆の里対千代の富士以来29年ぶりとなる全勝同士の千秋楽相星決戦の機運も高まるが、当の白鵬は「いずれ当たりますから」と意に介さなかった。

 場所前に新たに発足した名古屋の個人後援会からは年内をメドに新たな三つぞろいの化粧まわしを贈られることも決定。同後援会の服部由奈広報担当は「名古屋にちなんだ武将をモチーフにしたものにしたい」と明かし、候補として尾張の英傑・織田信長が挙がっているという。

 狙うは双葉山、大鵬を超えて史上1位となる9回目の全勝優勝。「今場所のテーマはそれなので」。どんな大記録を達成しても、「白鵬の野望」が尽きることはない。

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2012年7月20日のニュース