遼、耐えて暫定10位も…大会不成立の可能性

[ 2011年9月3日 06:00 ]

この日4度目の中断となり、約20分現場待機するが、結局、雨が激しくなりクラブハウスへ引き揚げる石川遼

フジサンケイ・クラシック第1日

(9月2日 山梨・富士桜CC=7437ヤード、パー71)
 大雨によるコースコンディション不良のため、1人もホールアウトできないままサスペンデッドとなった。大会3連覇を狙う石川遼(19=パナソニック)はインの9ホールを終え、通算1オーバーで首位と2打差の暫定10位。ただ、第2日以降の天候次第では競技そのものが不成立となる可能性も出てきた。

 富士の麓は台風12号の影響で断続的に激しい雨と強い風が吹きつけた。前日は中止だったが、この日は競技をスタート。午後3時10分にサスペンデッドが決まるまで中断は4回で、競技時間は計206分。集中力を保ちづらい状況の中、石川は我慢のゴルフを続けた。

 「中断はしようがない。朝からやるぞという気持ちでモチベーションを維持できた」。11番でボギーを叩いた直後に再びピンチが訪れた。12番は第1打を右の林に曲げると、ボールは落ちていた枝に寄りかかるようにして止まっていた。傾斜があり、枝を動かすとボールが動く危険性がある。「イチかバチか」枝ももろともボールを打つと「何で真っすぐ飛んだのか分からない」と言いながら、グリーン左ラフまで運ぶナイスリカバリーでパー。328ヤードに短縮された14番パー4では第1打をグリーン手前に運び、バーディーを奪い返した。

 雨脚の強くなった17番パー5では第2打を水のたまったバンカーに入れた。ボールが見えないためキャディーらが水底をさらいながらボールを捜すハプニングもあったが、救済措置を受け、バンカー内にリプレースしてパー。サスペンデッドとなった1番の第2打まで粘りのプレーを見せた。

 3連覇に向け、石川の最大の敵は台風となりそうだ。第1日は60人がスタートできなかった。競技成立には少なくとも36ホールの消化が必要だが、日本ゴルフツアー機構の中島和也ツアーディレクターは「あした(3日に)競技ができなければ36ホールは極めて厳しい。最終組が日曜(4日)の午前9時までに第1ラウンドを消化できない見込みなら不成立も考えられる」と語った。3日以降も予報は雨。「何が何でも上位にしがみつきたい」と話す石川だが、85年以降ではツアー初の競技不成立とともに3連覇が翌年に持ち越される可能性もある。

 ≪85年以降、不成立はなし≫国内男子ツアーでは記録が残る85年以降で競技が不成立になった例はない。36ホールで成立したのは87年の日本シリーズ、91年のブリヂストン・オープン、98年のよみうりオープンの3試合。国内女子ツアーでは競技不成立は過去3試合あり、82年のキヤノン・クイーンズカップは今回と同じ富士桜CCで台風が中止理由だった。

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