遼、予選突破!上位進出へ「体力と気力使い切る」

[ 2011年6月19日 06:00 ]

12番、バーディーパットを決め、胸をなで下ろす石川遼(撮影・青木芳治通信員)

全米オープン第2日

(6月17日 米メリーランド州ベセスダ コングレッショナルCC=7574ヤード、パー71)
 石川遼(19=パナソニック)が2年連続で予選を突破した。終盤の果敢な攻めで5バーディー、4ボギーの70で回り、通算2オーバー、144の33位。日没サスペンデッドにより、18日の第2ラウンドの残りの結果を待った久保谷健一(39=フリー)も通算4オーバー、56位で予選を通過した。藤田寛之(42=葛城GC)は通算10オーバーの128位で予選落ち。ロリー・マキロイ(22=英国)が通算11アンダー、131で首位を守った。

 勝負どころで石川の集中力が増した。予選通過が微妙な位置にいた終盤も攻めの姿勢を貫いた。「予選は文字通りの通過点。あくまで最終日にアンダーパーにすることを考えていました」。会心のショットを見せ、2年連続の決勝ラウンドをつかみ取った。

 17番パー4で予選突破を決めた。フェアウエーから残り167ヤードの第2打。ピンは左手前に切られている。少し弱ければ手前のバンカーに入る計算。しかし、迷いはなかった。「覚悟を持って打った」8Iでの1打は2メートル横にピタリ。この日、5個目のバーディーで通算2オーバーまで伸ばした。1つ前の16番パー5でも果敢なプレーを見せた。残り70ヤード、バンカーからの第3打。AWで低く打ち出し、花道から転がしてピン奥2メートルに乗せた。重圧のかかる局面で「これしかない」と今まで試したことがないショットを選択。結果はパーだったものの、積極的なゴルフがラストスパートの原動力となった。

 「予選通過はホッとしていますけど、今の結果にとらわれるのはいいことではないと思う」と目先の結果でなく、常に自身のレベルアップを見据えている。ここ2試合はパットの不調で予選落ちしたが、その気持ちは変わらない。今季は父・勝美コーチの指導をベースに、自分でも練習に工夫をしている。「探求心を持ってやっている。もっと良くしようと思ったことが裏目に出ているだけ」と前を見続けた。渡米前の栃木合宿でパット不振の原因が「タッチの問題」と気づいた。この日は強さに注意し、6、8番が5メートル、12番が6メートルと、長いバーディーパットをねじ込んだ。

 9番終了後に雨による40分の中断もあったが、気持ちを切らさず、再開後は初日にティーショットを“池ポチャ”した難関の10番パー3をパーでしのいだ。ショットもパットも第1日からきっちり修正。「決勝ラウンドが楽しみ。残り2日、体力と気力を使い切りたい」。独走のマキロイ、追うY・E・ヤンを除けば混戦状態。上位進出へ態勢は整った。

 ≪メジャー9試合で5度目の予選通過≫石川は全米オープンでは2年連続の予選通過を果たした。昨年は予選ラウンドを2位通過したが、決勝ラウンドで75、80と崩れ、33位に終わっている。メジャー9大会で予選通過は5試合目。この日、記録した70はメジャーでは09年の全英初日、10年の全英初日の68に次ぐ好スコアだった。メジャーには09年8月の全米プロから今大会で7大会連続出場している。

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