シュワーツェル劇的初V“エルスさんお先に”

[ 2011年4月12日 06:00 ]

第4ラウンド最終日、18番、優勝して両手をあげて喜ぶシャール・シュワーツェル

第75回マスターズ

(4月10日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 劇的なメジャー初優勝だった。大混戦の中、シュワーツェルがスパートをかけたのは15番。そこからバーディーを取り続け、最終18番は5メートルを見事に沈めた。4連続バーディーでのフィニシュは大会史上初めて。7カ月前に結婚したロザリン夫人と抱き合った伏兵は「まさか(南アフリカの先輩)E・エルスより先にグリーンジャケットを着るとは」としみじみ語った。

 序盤から神懸かり的だった。1番のバーディー、3番のイーグルはどちらもアイアンで直接カップにねじ込んだ。この日の平均飛距離278ヤードは49人中44位だったが、パット数は2位。アイアンの切れと小技が光った。

 昨年、全英オープン優勝のL・ウェストヘーゼンと同じくジュニア時代にはエルスの運営する基金に支えられ、プロへの足がかりをつかんだ。母国の英雄、G・プレーヤーからはツイッターで「良くやった」との賛辞を受けた。昨年にはJ・ニクラウスと会食しオーガスタの攻略法を授かった。栄冠の裏には偉大な先輩たちの存在があった。

 プレーヤーが米国以外の選手として初めて大会を制して50年。26歳の新星は「僕にとっても母国にとっても素晴らしい勝利」と締めくくった。

 ◆シャール・シュワーツェル 1984年8月31日、南アフリカ・ヨハネスブルク出身の26歳。養鶏場を営む父の手ほどきを受け、4歳でゴルフを始める。02年にプロに転向し、欧州ツアーなどで6勝。米ツアーには昨年から本格参戦し、マスターズが米ツアー初優勝となった。趣味はハンティング。1メートル80、64キロ。

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2011年4月12日のニュース