真央に感動!視聴率29・0% 亀田もM―1もKO

[ 2010年12月28日 06:00 ]

エキシビジョンで華麗な演技を披露する浅田

 みんなが真央の笑顔を見たかった。26日にフジテレビ系列で放送された「全日本フィギュアスケート選手権2010 女子フリー」(午後7時50分~同9時54分)の平均視聴率が29・0%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録したことが27日、分かった。女子2位・浅田真央(20=中京大)の演技終了直後の瞬間最高視聴率は、関東で38・6%。26日の同時間帯に放送されたボクシングの亀田祭り、お笑いのM―1グランプリに圧勝した。世界選手権(来年3月、東京)での連覇への期待も膨らみそうだ。

 亀田興毅の3階級制覇も笑い飯の悲願戴冠も、浅田にはかなわなかった。26日の女子フリーの平均視聴率は、関東地区で29・0%。浅田の演技直後に記録した瞬間最高視聴率は同地区で38・6%、地元・名古屋では驚異の44・8%だ。同日同時間帯に放送されたボクシング亀田3兄弟の「ダブル世界タイトルマッチ」が平均視聴率13・8%、今回で最終回の「M―1グランプリ2010 決勝戦」は同18・7%(ともに関東)どまり。浅田の復活劇が、お茶の間を席巻する形となった。
 ジャンプ改革に取り組んだ今季はGPシリーズのNHK杯8位、フランス杯5位。大不振で迎えた全日本選手権で2位に入り、来年3月の東京・世界選手権代表入りを決めた浅田は、一夜明けたこの日も笑みを絶やさなかった。「今は凄くホッとしている。全日本を終えて世界選手権に出ることができて、ホッとしている」。安ど感に浸る浅田は年内は完全休養。年が明けると、連覇が懸かる世界選手権へと動きだすことになる。
 トリプルアクセルは昨季はSPで1度、フリーで2度の計3回跳び、全て成功させたバンクーバー五輪の偉業はギネスブックに認定された。ただ、今大会はジャンプの状態を考慮してSP、フリーで1度ずつにとどめた。フリー直後のキス&クライで佐藤信夫コーチ(68)からは「“二兎(と)を追うものは一兎をも得ず”ということわざがある。アクセルも一緒」と言われたという。自国開催の世界選手権への代表切符を確保するためにとった安全策だったが、くしくもうさぎ年となる2011年は違う。浅田が「来年は三兎を追う」と同コーチに伝えると、「よし!」と大技3発への再挑戦を後押しされた。
 世界選手権では、五輪で完敗した同い年のライバル、キム・ヨナ(20=韓国)との再戦が待つ。キム・ヨナについて問われると「今の時点では入っているエレメンツをクリーンにやりたい気持ちが強い」と自然体を強調したが、もちろんライバルに勝っての連覇が目標だ。世界連覇なら日本人初の偉業。テレビ視聴率という数字でくっきりと示された国民の期待を背に、真央が再び世界の頂点を目指す。

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2010年12月28日のニュース