宮城野部屋、師匠交代…早まる“白鵬部屋”新設

[ 2010年12月28日 06:00 ]

師匠交代の勧告を受け入れたことを発表する宮城野親方

 日本相撲協会は27日、元愛人に八百長を告白したと週刊誌で報じられた宮城野親方(41=元十両・金親)が、部屋付きの熊ケ谷親方(53=元幕内・竹葉山)と年寄名跡を交換して師匠の立場を交代するよう求めた協会の勧告を受け入れたと発表した。熊ケ谷親方は04年8月まで襲名していた「宮城野」として師匠に復帰するが、これに伴い、“白鵬部屋”を新設するプランも浮上した。

 2010年の角界を象徴する“ドタバタ劇”は宮城野親方が白旗を揚げる形で何とか収束した。24日の理事会で協会側が突きつけた師匠交代の勧告内容に宮城野親方は「分からない部分がある」との理由で態度を保留。だが、この日行われた緊急理事会で協会側が勧告を受け入れなければ解雇処分とする姿勢を示すと一気にトーンダウン。今後「師匠復帰」や「階級昇格」を一切放棄し、次に不祥事を起こした場合は解雇処分を受けるという内容の始末書を協会に提出し、同じく理事会に出席した熊ケ谷親方と名跡交換の手続きを完了させた。理事会後、宮城野親方は「心から反省しています。(保留は)頭が真っ白になって整理したかった」と頭を下げた。
 今回の師匠の交代に伴い、宮城野部屋の周辺では早くも“白鵬部屋”を立ち上げるプランが浮上している。東京都墨田区にある宮城野部屋は、勧告を受け入れた宮城野親方が婿養子として入った先々代宮城野親方(元小結・広川=故人)一族の所有物。宮城野親方となった熊ケ谷親方にとってはやや肩身の狭い環境であることは否めない。新師匠は「細かいことはこれから話し合う」と話すにとどめたが、有力後援会関係者は「将来的に白鵬は土地を買って“白鵬部屋”を建てるだろう。その計画を早めに進めて新・宮城野部屋をつくるのが自然な流れ。そうなるように働きかけたい」と話した。
 白鵬は現役中に日本国籍を取得し、引退後は宮城野部屋を継承することが既定路線。以前周囲の関係者に「土地を探している」と漏らしたこともある。昭和の大横綱、双葉山も現役時代に「双葉山道場」をつくり一時代を築いた。尊敬する大先輩と同様、“白鵬部屋”の新設で「白鵬時代」はより興隆することになる。
 ◇継承の資格 6年半ぶりに宮城野部屋の師匠となった前熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)は関取在位25場所(幕内2、十両23場所)のため、現行の規定では部屋を新設できる資格(幕内在位60場所)は有していない。しかし、部屋を継承する場合は規制が緩和される。相撲協会寄付行為施行細則では、資格の条件として幕内在位12場所以上か関取在位20場所以上と定められている。

続きを表示

2010年12月28日のニュース