真央ちゃん キム・ヨナ超えて!超えて!

[ 2010年3月3日 06:00 ]

<五輪日本選手団帰国>大勢のファンらに出迎えられ帰国、声援に笑顔を見せる浅田真央

 真央がキム・ヨナを超える!バンクーバー五輪の日本選手団本隊が2日、帰国した。他のメダリスト6人とともに都内で会見したフィギュアスケート女子銀メダリストの浅田真央(19=中京大)は今後の目標として、22日開幕の世界選手権(トリノ)で五輪金メダリスト、キム・ヨナ(19=韓国)に雪辱すること、さらに五輪でキム・ヨナがマークした世界最高得点の更新を掲げた。浅田を後押しするように国際スケート連盟(ISU)では、高難度のジャンプの価値を見直す動きが出てきた。

 バンクーバーで銀の涙を流した浅田に、五輪の疲れを癒やす気持ちなどなかった。成田空港から都内に移動して行われた会見。世界選手権後にプロ入りが噂されるキム・ヨナについて聞かれると「まだプロに行くかどうか分からないですけど、自分も勝ちたいと思いがある」とはっきりと答えた。
 この日午後に到着した成田空港では約700人の出迎えを受けた。報道陣は約120人。60人の警備員に守られた帰国を「たくさんの人におめでとうと言われてうれしかった。メダルを獲れてよかった」と振り返った。だが、この大歓迎も浅田の悔しさを晴らしてはくれない。「うれしさ半分、悔しさ半分」と現在の心境を正直に話した。
 キム・ヨナは来季の韓国勢の世界選手権出場枠を確保するため世界選手権に出場する方向だが、五輪前から韓国内ではプロ転向が報道されている。世界選手権が最後の対決になる可能性が高く、浅田にとってはキム・ヨナに勝つ最後のチャンスになる。
 ただ、浅田のキム・ヨナ超えの闘志はそれだけではない。「引退しても(キム・ヨナの)得点の記録は残るので、塗り替えるように頑張りたいと思う」。五輪でキム・ヨナはショートプログラム(SP)が78・50点、フリーが150・06点、合計で228・56点といずれも世界最高をマークした。対する浅田は合計で205・50点の自己ベストをマークしたが、キム・ヨナとは23・06点差もある。世界選手権で世界記録を塗り替えるのは現実的に難しいが、来季以降のプランはしっかりできている。
 「(トリプルアクセル以外の)他のジャンプの種類も増やすことはできる。3―3回転もできると思うので世界選手権が終わってオフになってからしっかり練習したい」
 今季、回避した3回転ルッツと3―3回転の連続ジャンプは、ともに基礎点が高い重要な要素。得点アップのために、来季から挑戦することをあらためて明言した。日本中が「おめでとう、お疲れさま」のムードに浸る選手団帰国。その中で、世界選手権での雪辱、さらに得点でのキム・ヨナ超えをはっきり口にした。「(銀メダルは)次のステップと思って、ソチに向けて頑張りたい」。浅田1人だけが、早くも14年ソチ五輪に向けて動きだしているようだった。

続きを表示

2010年3月3日のニュース