映画にもなった「JALバスケ部」来季限りで廃部

[ 2010年3月3日 06:00 ]

 経営破綻(たん)し再建中の日本航空が2日、女子バスケットボール部「JALラビッツ」を来季限りで廃部にすると発表した。経営合理化策の一環。チームは女子の国内トップリーグ、Wリーグに所属する強豪で、石原さとみ(23)が主演した映画の題材にもなった。石原も「残念」とコメントした。

 JALラビッツについて、日航は公式サイトで「JALグループの早期再生に向けて全力を傾注するべく、経営合理化策の一環として廃部を決定した」と説明。選手には同日午前、渡辺智部長が伝えた。都内で会見した荒順一監督は「本当に残念。与えられた1年で会社に恩返しができる活動をしないといけない」と語った。
 来季はチームの運営費を約20%カットし、選手を今季の16人から12人に削減、10月に開幕するWリーグの2010~11年シーズン限りで廃部する。チームとして受け入れ企業などを探すかについては、各選手やWリーグと協議した上で決める。
 日航の子会社のJALグランドサービスは、今月31日付で陸上部を廃部することをすでに発表している。
 日本航空女子バスケットボール部は1967年に同好会として結成。会社の創業30周年事業の1つとして81年に本格的に強化に乗り出し、JALラビッツとして活動を開始。当初はチーム全員が客室乗務員だった。
 85年にWリーグの前身となる日本リーグ1部に初昇格。00年以降は強豪の一角を担い、Wリーグでは準優勝が3度ある。05年の全日本総合選手権では優勝。今季は主将で現役客室乗務員の岩村裕美(28)が得点王に輝き、レギュラーリーグ4位で4季ぶりにプレーオフに進出したが、準決勝でトヨタ自動車に2連敗して敗退した。
 客室乗務員とバスケ選手を両立させるため奮闘する女性たちの姿は、直木賞作家の深田祐介氏が小説「翔べ!ラビッツ」として書き下ろし、これをもとにした映画「フライング☆ラビッツ」が08年9月に公開。ひょんなことからJALラビッツに入部した新人客室乗務員を石原が演じ、本物の選手も出演した。

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2010年3月3日のニュース