理工学部戦士 早大・滝沢引退試合だ!

[ 2009年1月10日 06:00 ]

雨の中、決戦前日の練習に励む滝沢(中)ら早大フィフティーン

 ラグビーの第45回全国大学選手権決勝、帝京大―早大戦は10日に国立競技場で行われる。2連覇を目指す早大は9日、東京・上井草のグラウンドで約1時間半の最終調整。勝敗を左右するスクラム戦のキーマン、プロップ滝沢直副将(4年)は「ラグビー人生最後の試合」と明言し、昨年11月1日の関東対抗戦グループで7―18と敗れた相手へのリベンジを誓った。

 いてつくような雨が降りしきる中、総勢110人の早大ラグビー部が1つになった。「帝京撃破!」と部員全員がのどをからす中、宿敵の赤いジャージーをかぶせたダミーに先発メンバーが猛タックル。「この日のためにラグビーをしてきた。みんなが100%の力を出すために4年生の自分が声を張り上げて安心させたい」。ひときわ大きな怒声を響かせたのはプロップ滝沢副将だった。
 滝沢はプロップとは思えない走力と、強いスクラムでトップリーグからも注目されていた。だが、理工学部機械工学科で留年が決まったこともあり、ラグビーより研究を優先して今大会限りでの引退を決意。2月の日本選手権にも出場しない意向で、「自分にとってラグビー人生最後の試合となる」と帝京大へのリベンジに闘志を燃やした。
 昨年11月1日の対戦ではスクラムを含むFW戦で後手に回り、8年ぶりに帝京大に敗戦。対抗戦の連勝は53で、連覇も8でストップした。だが、滝沢は「スクラムは理屈じゃない部分で負けた」と地力では劣っていないことを強調。外国人留学生2人を擁する相手強力FWに対し、中竹監督も「対抗戦でやられたスクラムをいかに食い止められるか」と決勝でのポイントに挙げた。
 「準決勝を終えた時点で、去年は“早く打ちのめしたい”という上から目線の気持ちだったけど、今年はあくまでもチャレンジャー」と指揮官。滝沢も「もう一度スクラムで勝負して、あの時のワセダとは違うということを見せたい」と話した。就任3年目で契約最終年の監督とともに帝京大戦を集大成とするべく、114キロの巨漢が最後の大舞台に上がる。

 ◆滝沢 直(たきざわ・すなお)1986年(昭61)9月30日、愛知県生まれの22歳。小中学生時代はバスケットボール部に所属して愛知県代表に選ばれる。千種高入学とともにラグビーを始めた。花園出場経験はなし。早大では3年時からレギュラー。07年度U―23日本代表。50メートル走は6秒7。1メートル75、114キロ。血液型B。

続きを表示

2009年1月10日のニュース