強行出場の朝青龍 極度のピリピリムード

[ 2009年1月10日 11:31 ]

 初日を翌日に控えた10日、朝げいこを終えた朝青龍の様子がいつもと違った。通常、そのままけいこ場のあがり座敷で取材に応じるが、この日は付け人を通じ、報道陣に高砂部屋の建物から出ていくように要請した。

 けいこ後、先代高砂親方(元小結富士錦)の墓参りに出掛けた。その帰り際も「いいよ、話は。またあしただ」とだけ言い残し、足早に去った。表情は険しく、最近の朝青龍には珍しい極度の“ピリピリムード”だった。
 ただでさえ重圧のかかる状況。それに加えて、初日の相手がそうさせているのか。稀勢の里とはここ1年で2勝2敗の五分。7日のけいこ総見では1番だけ取ったが、相手得意の左四つを許し、一方的に寄り切られた。そのとき、朝青龍は「ちくしょう」と声を荒らげ、けいこを打ち切った。
 口を閉ざすことで、初日に向けて集中力を高めているように見える。場所直前、初場所に出場するか否かについて「分からない」と繰り返していた。出ることを決意した理由や心境を胸の内にしまい込んだまま、土俵人生を左右する場所に臨む。

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2009年1月10日のニュース