白鵬 巨人負けて「オレが勝つしかない」

[ 2008年11月11日 06:00 ]

 【大相撲九州場所2日目】初日の黒星が白鵬の闘志に火をつけた。立ち合いでかち上げから突き起こすと、右を巻き替えて一気に走った。砂かぶりまで落ちるおまけ付き。「前に出られた。流れで取れた。勢い余ったというか、豊ノ島関がまわしを離さなかった。気持ちは分かります」と力士本来の闘争本能に理解を示す余裕まで見せた。

 初日は苦し紛れのはたきで墓穴を掘った。この日の朝稽古後、熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)から「自信を持って自分の相撲をとれ」と激励された。古傷の左足首は、場所前の稽古で疲れがたまっている。初日の取組後にアイシング、この日はマッサージを施した。
 一昨年夏場所の大関昇進以降、序盤戦5日間で連敗がない集中力を証明した。前夜、応援する巨人が日本一を逃し「オレが勝つしかないかな」。笑顔を浮かべたが、心の中は本気だった。

 ≪安馬 連勝発進も「何で」≫連勝発進となった安馬だが、表情はさえない。支度部屋では勝利の余韻に浸ることもなく「足が軽い。何で足が出ないんだろう」としきりに首をかしげた。立ち合いで足を滑らせ、バランスを崩した。前のめりの姿勢から何とか立て直し、右を差し込むと、左の前まわしを引き付けて北勝力を運んだ。まだ持ち前の速攻相撲が影を潜めているが、きょう3日目は序盤の大一番・稀勢の里戦。「変なことを考えず、いい相撲取りたいね」と闘志を燃やしていた。

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2008年11月11日のニュース