遼くん 魅せてジワリ7位浮上

[ 2008年11月1日 06:00 ]

10番、おにぎりをほおばりながらフェアウエーを歩く石川遼(右)

 男子ゴルフツアーのマイナビABCチャンピオンシップ第2日は31日、兵庫県加東市のABCゴルフ倶楽部(7217ヤード、パー72)で行われ、石川遼(17=パナソニック)が4バーディー2ボギーの70をマークし、首位と5打差の通算4アンダー、7位で決勝ラウンドに進んだ。7番パー4(362ヤード)では331ヤードも飛ばすビッグドライブ。惜しくも1オンは逃したが、観客を沸かせ、自身初の4週連続予選突破をした。深堀圭一郎(40=フォーラムエンジニアリング)が68をマークし、通算9アンダーで単独首位に立った。

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 視線が注がれる中、石川は迷いなく1Wを手にした。開幕前に「フォロー(の風)が吹けば」ドライバーで1オンを狙うと宣言した362ヤードの7番パー4。「アゲンストが吹いていない」。280ヤード付近にあるバンカーを嫌い、同組の深堀、井上らほとんどの選手が刻むホールで、石川は3段グリーンの一番上にあるピンを見つめた。

 歩幅を約5センチ広くし「マン振り(フルスイング)」すると、ほぼ無風の中、ボールは331ヤード先の狭いフェアウエーをとらえた。グリーンまであと10ヤード。わずかに1オンに届かなかったが、宣言通りの挑戦にギャラリーから感嘆の声が漏れた。

 この日はピンが奥に切ってあったため、残り40ヤードとなった第2打を4メートルまでしか寄せられず、結局パー。刻んだ井上はバーディーを奪ったが、石川は「98%の力で振ってシンに当たって、最高のストレートボール。満足です」と話した。スイングの完成を目指し、今は85%の力でドライバーを振ることを意識している。その中で、ここぞという場面でフルスイングし、完ぺきなショットを打てたことに手応えをつかんだ。

 魅せただけではない。目標の「4バーディー、2ボギー」を達成するためにバーディーが欲しい最終18番パー5。1・5メートルを沈めて、この日4個目のバーディーを奪った。ロングの全4ホールがすべてがバーディーの理想的なゴルフ。「ロングを全部取るだけで自分のノルマが達成できる。シンプルなゴルフができたと思う」と笑顔を見せた。

 連日のスコア70で、こちらも宣言通り、2日連続の1日4バーディー。初の4週連続予選突破どころか、首位とは5打差だ。「凄くいい位置からの3日目。凄く楽しみ」。魅せながらスコアも伸ばした石川が、ジワリと7位に浮上した。

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2008年11月1日のニュース