北京銀の内村が全日本選手権で初優勝

[ 2008年11月1日 17:35 ]

男子個人総合決勝で初優勝した内村航平のあん馬

 体操の全日本選手権第2日は1日、新潟県上越市のリージョンプラザ上越で個人総合決勝を行い、男子は北京五輪銀メダルの19歳、内村航平(日体大)が91・900点で初優勝した。十代での優勝は1996年の塚原直也(朝日生命、当時・明大)以来。

 内村は床運動、あん馬と前半の2種目で最高点を挙げてリードを広げ、2年連続2位の田中和仁(徳洲会)と0・150点差で逃げ切った。山室光史(日体大)が3位と健闘し、全日本学生選手権覇者の植松鉱治(仙台大)は7位。水鳥寿思(徳洲会)は8位、5度優勝の塚原は14位に終わった。
 女子は五輪代表の16歳、鶴見虹子(朝日生命ク)が60・800点で3連覇し、五輪代表の新竹優子(大阪・羽衣学園高)が1・900点差の2位に続いた。

 ≪内村、世代交代を宣言≫男子個人総合は5種目目を終了し、2位の田中との差は0・6点。首位の内村の最終種目、鉄棒は14・850点と思ったほど点数が伸びなかった。「また2番かな」との思いが脳裏をよぎったという。
 それだけに初めての日本一が分かると、緊張気味の表情が一気にほころんだ。「初めてですごくうれしい。予選も決勝も1位でないと、五輪で銀メダルの示しがつかないと思っていた」。プライドで手に入れたタイトルに胸を張った。
 五輪直後の全日本学生選手権は苦手のあん馬で失敗し、2連覇を逃していた。約1カ月前にはぎっくり腰になったが、あん馬だけは徹底して練習を繰り返していった。予選に続いて決勝もほぼノーミスで最高点。内村は「あん馬は今までで一番よかった。(全日本学生で)悔しい思いをしたので優勝を狙っていた」と、ガッツポーズして見せた。
 塚原以来となる十代での男子王者で、大学生の優勝としては2002年の冨田以来となる。日本を引っ張ってきた2人のオールラウンダーに続いたことに「うれしいけれど、ずっと目標にしているだけじゃいけないと思っている」。4年後のロンドン五輪に向け、伸び盛りの新エースが世代交代を宣言した。

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2008年11月1日のニュース