朝青活躍に天敵・内館委員「…」

[ 2008年1月29日 06:00 ]

会議を終え、報道陣に囲まれる内舘委員(中央)だったが…

 場所後恒例の横綱審議委員会が28日、東京・両国国技館で行われ、各委員は初場所で13勝2敗の好成績をマークした横綱・朝青龍(27=高砂部屋)を評価した。会議では数々のバッシングを展開してきた内館牧子委員もすっかり沈黙。白鵬との千秋楽相星決戦に持ち込むなど、綱の責任を果たした朝青龍の活躍に辛口トークは不発。報道陣の前でもノーコメントを貫くなど、完全に打ちのめされた形となった。

 突然、国技館に出現した渦中の人は輝きを失っていた。約30分間の会議を終えた内館委員は、なぜか人目を避けるように足早にエレベーターに直行。いつもなら快く立ち止まって10分以上に及ぶ大独演会を開催するのに、下を向いたまま沈黙を貫いた。群がる報道陣には「私がしゃべると誤解を招くので(雑誌のコラムに)自分の手で書きますから」と語り、迎えの車に乗り込んだ。
 内館委員は当初、この日の横審を欠席する旨を日本相撲協会に通達していた。表面上の理由は仕事の都合だったが、真相は違っていた。関係者によると、取材を受けていないのに自分のコメントが一部メディアに掲載されたことが理由と言われている。それでも急転、出席して存在感を見せつけたかったが、朝青龍の及第点の活躍に内館節も“キレ”を欠いていたという。海老沢委員長も「元気には発言していたが、過激なコメントはなかったね」と心配そうに説明した。
 会議では3場所ぶりのブランクを克服した朝青龍に対し、各委員も「よくやった」「みそぎは済んだ」など、評価する声が大勢を占めた。海老沢委員長は「横綱として優勝争いに絡んだ。あれだけの相撲を取って一応、横綱しての使命を果たした。評価したい」と合格点を与え、場所後のモンゴル帰国に関しても「常識の線を踏み越えなければ問題ない」と容認した。
 批判の矢面に立たされてきた朝青龍は復活土俵で結果を残し、力ずくで“天敵”内館委員の口を封じた。最大の危機を脱出して朝青龍の胸中はしてやったりだが、品格問題に関しては「みそぎ」は終わっていない。内館委員が目を覚ます?ときは意外に近いかもしれない。

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2008年1月29日のニュース