日本経済の“起爆剤”は遼くんだ!!

[ 2008年1月29日 06:00 ]

パナソニックのロゴが入ったサンバイザーをかぶる石川

 石川遼(16)の大型契約が株式市場にもビッグインパクトをもたらした。用具総合契約を発表したスポーツ用品メーカー「ヨネックス」の株価は会見を行った25日に続いて上昇し、28日には一時は849円から100円ストップ高の949円まで急騰した。同日は松下電器産業と5年5億円(推定)の所属契約も発表。世界戦略を見据えて今秋から社名を「パナソニック」に変更する同社も“ハニカミ景気”が追い風となるか――。

 複数メーカーの争奪戦の末、ヨネックスが勝ち取った5年4億円の大型契約。その行方を注目していたのは、ゴルフやスポーツ関係者だけではなかった。ゴルフ界を超えた人気を誇る石川の動きには、投資家も素早く反応。日本スポーツ界のニュースターとの契約締結を大きな好感材料として受け取ったようだ。
 東証2部上場の同社株は、契約を発表した25日に前日比で94円(12・45%)急上昇した。土日を挟んでも、この勢いはとどまることを知らず、この日は午前中に買い注文が殺到。一時は100円ストップ高となる949円まで値を上げた。
 同社の関係者も「株価が上がっているのは知っていましたが、まさかストップ高とは。契約締結とメディアへの露出の効果でしょう。いろいろなところからも“よかったね”と電話をいただいているんです」とあまりの反響の大きさに驚きを隠さなかった。
 石川はプロ初戦となる全英オープン・オーストラリア予選(2月5日、シドニー)に出発したこの日、午前中に都内で所属契約の発表会見も行った。松下電器産業とCM契約も含んだ5年5億円(推定)で合意。午前11時すぎに会見が終わり、インターネットなどで一報が流れると、午後の取引が始まった12時半ごろには突発的に20円の値上がりを見せた。ここでも“ハニカミ景気”が顔をのぞかせたことになる。
 松下電器産業は世界戦略を見据え、今秋から社名を「パナソニック」に変更すると発表したばかり。世界での活躍を夢見る石川も志をともにして「パナソニック」所属の選手として試合に臨む。この日の会見には、同社の企業カラーでもある青いサンバイザーで現れ「今まであまり試合で青を使ったことがないので、これからいっぱい着たいと思います」と笑顔で話した。
 プロ活動の根幹を成す用具に続き所属も決まった石川は「自分の周りの環境はすべて整ったので、できるだけ期待に応えられるように、1年通して最初から最後まで全力を尽くしたい」と抱負を語った。世界同時株安の不安もどこ吹く風の勢いで、メジャー切符を勝ち取るための戦いに旅立った。
 ▼松下電器・鍛冶舎巧(かじしゃ・たくみ)役員の話 グループ社員が全世界に33万人いる。世界46カ国に後援会ができたものと思ってもらいたい。海外に転戦しても全世界に必ず営業所がある。トータル的に支援していきたい。(県岐阜商―早大―松下電器。社会人時代の1975年に阪神からドラフト2位指名されたが拒否。松下電器野球部監督として都市対抗野球にも出場。NHKの高校野球解説者としても知られる)

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2008年1月29日のニュース