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前フットサル代表監督ロドリゴ氏、カズが“導いた”サッカー指導者の道

[ 2016年3月26日 08:45 ]

観戦に訪れたフットサル元日本代表ロドリゴ監督と笑顔で握手をかわすカズ

 スペインの知将が今度は二刀流を目指す?2月までフットサル日本代表を指揮したミゲル・ロドリゴ氏(45)が22日、日本での職務を終え、母国スペインに帰国した。12、14年とアジア選手権を連覇。12年W杯タイ大会ではJ2横浜FCのFW三浦知良をサプライズ招集して世間の注目を集めると日本を史上初の決勝トーナメントに導き、確かな功績を残した。戦術の多彩さから「魔術師」と呼ばれるロドリゴ氏の面目躍如だった。

 そんなロドリゴ氏が離日前、最後に足を運んだのは、やはりカズが出場した横浜FC―山口戦だった。そしていかにも魔術師らしい次なる夢を語った。「次はサッカーの指導者もしてみたい。(カズからも)やれるでしょ、と言われました」。既にフットサルの監督資格を持つ同氏は、スペイン協会におけるサッカー指導者資格を得るための過程を半分近くクリアしているという。

 フットサル界の名将がなぜ、サッカー指導者を志すか。やはりカズの存在が大きい。12年W杯、カズを代表に加え、フットサルを取り巻く環境は一変した。親善試合はもちろん、練習にもマスコミが大挙した。W杯は急きょ、地上波でも放送された。また、例えば練習前の準備、肉体のケア、技術を吸収しようとする姿勢、さらにはマスコミ対応までカズの全てが他選手の手本となった。進歩したのはW杯の成績だけではなかった。ムーブメントの仕掛け人は、あの充実度をもう1度、味わいたいと考えているようだった。

 2月のアジア選手権では残念ながら9月W杯コロンビア大会出場を逃し、ロドリゴ氏は7年間にわたった日本代表監督としての職務を終えた。仮に出場権を得ていれば再びカズを招集する計画も温めていたという。「今でもカズは特別な存在です。また一緒に仕事したい」。誰も予測しない次の一手を打つ。だからこそ魔術師。近い将来、ピッチ上でロドリゴ氏が見られるかもしれない。(牧野 真治)

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2016年3月26日のニュース