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ロンドンドン!五輪の街に響いた復興支援感謝の太鼓

[ 2012年7月27日 06:00 ]

 五輪開幕を目前に控えた英ロンドンで25日、東日本大震災の復興イベント「ジャパン・フェスティバル2012inロンドン」が始まった。震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市の伝統芸能「気仙町けんか七夕太鼓」が勇壮な演奏を披露し、ロックバンド「LUNA SEA」のドラムスの真矢(42)らも出演。支援への謝意を世界に伝えるとともに、復興へ向かう日本の元気な姿を発信した。

 五輪ムード一色のロンドン中心部にある屋外イベント会場「ブロードゲートサークル」に、力強い太鼓の音色が響き渡った。鉢巻き姿の「気仙町けんか七夕保存会」のメンバー16人が威勢のいい掛け声とともに勇壮なバチさばきを披露すると、約500人の観客から大きな拍手が起きた。

 イベントでは震災での世界各国からの支援に感謝の気持ちを伝え、復興する日本の元気な姿を発信。“被災地代表”として、けんか七夕太鼓に白羽の矢が立った。

 900年前から地元に伝わる祭り「けんか七夕」の山車の上で鳴らされる威勢のいいおはやしを舞台用にアレンジ。以前から国内外で公演してきたが、津波で保存会のメンバー3人が犠牲になり、多くの人が家族や自宅を失った。太鼓やバチなどもすべて流されたが、寄付などで活動再開にこぎつけ、震災後初めての海外公演となった。

 同保存会の菅野剛副会長(62)は「世界中からの支援に“ありがとう”の気持ちを届けたくて来た。思いは伝わったと思います」と晴れ晴れとした表情。「舞台を降りた時に観客の皆さんが親指を立てて(称賛して)くれたのがうれしかった」と満足そうだった。

 真矢は父親が鼓の師匠で幼少時から和太鼓を学んでいたため、当初はけんか七夕太鼓と共演する予定だったが、ロンドン入りする前に陸前高田市で練習を見学し「神聖すぎて一緒に演奏なんてとてもできない」と急きょ辞退。バイオリニストの末延麻裕子さん(25)と舞台に立ち、はかま姿で鼓やドラムを披露した。鼓とバイオリンの異色のコラボに会場は大盛り上がりで、真矢は「ありがとうの気持ちが伝わった」と笑顔で話した。

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2012年7月27日のニュース