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早くも新目標!上野4番で鉄腕!!

[ 2008年8月23日 06:00 ]

記者会見後、金メダルをかむポーズで記念写真に納まる、上野由岐子投手(中)らソフトボール日本チーム

 【北京五輪 ソフトボール】五輪復帰へ、上野が打撃で日本リーグを盛り上げる。ソフトボールの決勝で米国を撃破し、悲願の金メダルを獲得した日本代表15選手が22日、北京市内で会見した。エース上野由岐子(26=ルネサス高崎)は、これまで“封印”してきた打者挑戦を示唆。バッターとしても非凡といわれる才能は、9月に再開する日本リーグで「投手・4番」で2012年ロンドン五輪での除外が決まっている競技の魅力をアピールする。

 最高の投手の次の目標は、最高の選手だ。金メダリストの一夜明け会見で「疲れがないといえばウソになるけど、うれしさが大きいので感じていない」と晴れやかな表情を浮かべた上野。疲労感より、充実感を口にしながら「五輪のためにいろいろ我慢してきたので、これからはいろんなことをしてソフトボールを楽しみたい」と話した。
 上野の言う「いろんなこと」とは、ずばり打者挑戦だ。01年、ルネサス高崎(当時日立高崎)入りした際には、1メートル74の恵まれた体と高い運動能力に、宇津木妙子監督(現総監督)が「4番・投手」での育成も検討した素材。日本代表で長く4番を務めた宇津木麗華現監督も「今の日本代表で最高のバッターは、本当は上野」と評するほどだ。05年9月の仙台での合宿では、野手全員がバットに当てることもできなかった男子投手から、オーバーフェンスを連発した逸話も残した。
 ソフトボールには打撃専門の「指名選手」制がある上に、これまでは、ケガを心配し、首脳陣がバットを封印させてきた経緯がある。しかし、金メダリストとなった今は話は別。宇津木総監督はこの日、「将来を考えると、いいことだと思う」とGOサインを出した。所属チームでは今も気分転換に打撃練習は行っており、早ければ日本リーグ後半戦開幕となる9月6日に、打者・上野がお披露目される可能性がある。
 現在も日本リーグで活躍するミッシェル・スミス(41=豊田自動織機)は、01年に首位打者と最優秀投手の2冠を獲得。ソフトボールの“二刀流”は超一流の証といえる。「16年(五輪)に(ソフトを)カムバックさせるためにも貢献したい」と誓った上野にとって、究極の進化形への挑戦が、次のモチベーションとなる。

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2008年8月23日のニュース