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日本陸上界に歴史つくったサムライ四銃士!

[ 2008年8月23日 06:00 ]

男子四百メートルリレーで銅メダルを獲得し歓喜する(左から)塚原、末続、朝原、高平

 【北京五輪 陸上】思いは1つだった。「朝原さんに最後にメダルを獲らせたい」。昨年の大阪世界選手権で38秒03の日本新を叩き出したリレーメンバー。朝原以外の3人は、日本短距離界を10年以上引っ張ってきた「兄貴」の“最後”を飾るため、必死でバトンをつないだ。

 エースは意地の激走を見せた。2走の末続は、引退も覚悟していた二百メートル1次予選で、まさかの敗退。四百メートルリレーにすべてをかけていた。「朝原さんが引退覚悟でやっていたし、恩返しのつもりで、足がちぎれてもいいという気持ちで走った」。00年シドニー五輪からリレーメンバーを組んできた朝原を完全燃焼させたい思いで走った。
 百メートルで準決勝まで進んだ1走・塚原は脚の痛みを抱えていた。スタート前から「針が振り切れてた。ぶっ壊れてました」という極限状態。それでも、抜群のスタートで斬り込み隊長の役割を果たし、「末続さん目がけてぶっ飛んだ。最高。歴史の立役者になれて良かった」と胸を張った。
 朝原を父、末続を兄と慕う高平は、百&二百メートルで世界新記録をマークしたボルトと同じ3走。「ボルトが目に入ったけど、いないものとして走った。自分たちがやるべきことに集中した」。コーナーで加速し、2番手で朝原にバトンを託した。「気持ちよく走ってほしかった。夢はかなうんだと証明できて良かった」(高平)。思いは結実した。4人で泣いた。それは、最高の瞬間だった。

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2008年8月23日のニュース