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山崎7位 再び襲った“悲劇”に負けなかった

[ 2008年8月23日 06:00 ]

男子50キロ競歩で、ガッツポーズしながら7位でゴールする山崎

 【北京五輪 陸上】悲劇の男が快挙を達成した。男子50キロ競歩で日本記録保持者の山崎勇喜(24=長谷川体育施設)が3時間45分47秒で7位に入った。競歩での日本人選手の入賞は男女通じて五輪では初。昨夏の大阪世界選手権で、係員の誤誘導で無念の途中棄権となったが、悔しさを北京で晴らした。谷井孝行(25=佐川急便)は4時間1分37秒で29位だった。

 帽子をとってサングラスを外した山崎が、右手を突き上げてフィニッシュラインを越えた。3時間45分47秒で7位入賞。歩き続けた24歳は「最低限の目標は果たせたのでホッとしています」とほほ笑んだ。
 11位に入った20日の20キロ競歩終了後、大食漢で鳴らす山崎はウナギを一気に3人前をペロリ。疲労しきった体に大量の食料が摂取され、胃腸が悲鳴を上げた。下痢に悩まされ、この日も腹痛と闘いながらのレース。それでも、粘って7位でゴールし、日本人選手で競歩五輪初の入賞を果たした。
 昨夏、大阪で開催された世界選手権。入賞争いをしていた山崎は、係員の誘導ミスにより1周早く競技場に誘導され、無念の途中棄権。あの悔しさは北京で晴らすしかなかった。この日もレース終盤に悪夢が頭をよぎったが「大丈夫だ。大丈夫だ。ちゃんと誘導してくれると思っていた」と余裕の笑みで振り返った。1日50キロの歩き込みで培った実力を証明した山崎は「ロンドンではメダルを獲りたい。入賞したので、次はメダルです」と新たな目標へ歩き始めた。

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2008年8月23日のニュース