久保朱莉アナウンサー フルスイングする資質 「感じないと言葉にできない」

[ 2023年6月19日 08:05 ]

笑顔でバットを振る久保朱莉アナウンサー
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 【牧 元一の孤人焦点】文化放送の定例社長会見には毎回、番組に関わるゲストが出席する。前回は、4月に文化放送に採用された元札幌テレビ放送の久保朱莉アナウンサー(29)ら2人だった。久保アナはこの席で特技としてバットのフルスイングを披露した。

 「私は三日坊主タイプで、日記もすぐに書かなくなります。これまででいちばん続いたことは何かと考えたら、素振りだったんです。中学生の時に部活でソフトボールをやっていて、最初はピッチャー、途中からファーストを守っていました。会見の前の日曜日に局内でバットを久しぶりに振ってみたら、意外に良い音がしました。会見では新入社員としてフレッシュに良い音を出さなければいけないと思いました」と振りかえる。

 放送局の定例会見で女性アナがバットを振った例は寡聞にして知らない。静まりかえった会見場で記者たちが見つめる中、何度もフルスイングすることには重圧があったに違いない。しかし、努力は報われ、各メディアには久保アナが楽しげにバットを握る写真と記事が並んだ。

 「記事は気恥ずかしかったですが、家族は喜んでくれました。ずっと野球をやっている兄にも『まあまあのバットの構え』と言ってもらいました。札幌テレビの就職試験の最終面接でも素振りの格好を見てもらって合格したので縁起が良いものとして捉えています」

 既に文化放送で番組を任されていて、バット関連で言えば、「ライオンズナイター」のスタジオを担当(金曜日)している。

 「最初に担当した日が延長12回で放送時間内に試合が終わらず、次は地震があり、その次が大雨でした。スタッフに『久保は嵐の女だな』と言われました。放送ではイニング間に私が何か話さなくてはいけないので、スコアをつけながら試合を見聞きして、紹介するメールを自分で選んだり、メールがない場合は自分のコメントを考えたり、ニュースの下読みをしたりしています。こんな自由采配の番組を担当するのは初めてで、任せてもらっている怖さ、緊張感があります。でも、野球を見るのは元々好きなので、自然とテンションが上がるんです。野球をやっている兄の応援に行った時にスタンドから大きな声援を送るのと同じ感覚でいいんだと思いました。先輩に『楽しそうにやっているね』と言われたので、うれしかったです」

 パーソナリティーを務める「モーニングTEN!」(日曜前10・00)ではギターの弾き語りに挑戦中、パートナーを務める「鷲崎健のヒマからぼたもち」(日曜後2・00)では競馬中継にも関わる。

 「競馬は自分で馬券を買って楽しんでいます。日本ダービーの時は、雰囲気を味わいたくて、前日の土曜日に1人で東京競馬場に行きました。パドックの最前線に行って、スポニチさんも参考にして、収支はプラスになりました。以前から、現地に行って感じたい、自分で感じないと言葉にできないという思いがありました。就職活動の時も全国各地の放送局を受けたので、その時はできるだけ早く現地入りして、ずっとインタビューして歩いていました。駅にいる人や川辺いる人、30人、40人くらいに声をかけて、今のテレビに思うことや聞いているラジオ番組などについて話を聞きました」

 その資質はやはりソフトボールの選手よりメディアの人に適していたようだ。

 「人の話を聞くのが好きです。ナイターがない日のスポーツ番組『長谷川太のスポーツギャラクシー』も担当させていただいていて、アスリートの方々の話をうかがうのがとても楽しいんです」

 本人の個性が最大限に発揮されるような冠番組もいずれ実現させてほしいところだ。

 「札幌にいた頃、アナウンサーの持ち回りで月に1回、深夜に1時間、何をやっても良い枠をもらっていて、私は勝手に『何でもない言葉をエロくささやく選手権』とか開催してました。今も大好きなラジオの仕事に関わっているので、その幸せを感じながら、そして、リスナーのみなさんに恥をさらしながら、100%の力を出せるように頑張ってまいります」

 アナウンサー業でのフルスイングの鋭さがこれからさらに増していく。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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