倉本聰氏 36年ぶり新作映画で小樽ロケ 大人の愛がテーマの作品に渦中の広末涼子にも言及

[ 2023年6月17日 00:00 ]

映画「海の沈黙」の会見が行われ、小樽市内の運河を背に写真を撮る(左から)中井貴一、小泉今日子、倉本聰氏、本木雅弘、菅野恵、若松節朗監督
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 脚本家の倉本聰氏(88)が16日、北海道小樽市で、36年ぶりに手掛ける来年公開予定の新作映画「海の沈黙」(監督若松節朗)のロケに参加した。本木雅弘(57)や小泉今日子(57)らと会見を行い「良い役者とスタッフがそろってくれて、台本にもリスペクトがある。感無量」と力を込めた。

 やや日が傾き海鳥の声が聞こえる市内の運河。この日撮影されたのは、小泉が仲介役の中井貴一(61)に連れ添われて、かつての恋人の本木に会いに行く重要な場面だった。倉本氏はディレクターズチェアに腰掛け、たばこをくゆらせながら芝居をじっと見つめていた。

 「50、60年以上前から構想があった」と語る今作。画壇から追放された天才画家役の本木と、そのかつての恋人の小泉との、時を超えた愛の結末を描く作品だ。

 自身のラブコールで本木をキャスティングし「良い役者がそろってくれた」としみじみ。本木とはこの日が初対面だったが、電話では何度も話した。「僕は人間の欠点を描くのが好きで、欠点のない人間には興味がない。本木くんは主人公の欠点を魅力にしてくれている」とその役作りを絶賛した。

 本木と小泉は共に1982年にデビューし「花の82年組」と呼ばれた間柄。92年のフジテレビドラマ「あなただけ見えない」以来の共演となる。

 会見で本木は小泉の印象について「芸能活動でも、私生活でも、自分の1歩先を行く人だった」と説明。複雑な男女の機微を今回は2人で表現する形となり「(小泉は)恋愛経験も豊富で奔放な方なので、色々な事情を聞きながら演じていければ」と語り、笑いを誘った。

 一方の小泉も「いつも歩く時には横には本木さんがいました。(以前の共演から)30年以上がたっていますが、元々歌手だった私たちが俳優として力を合わせられるのがうれしい」と応じてみせた。

 これまで数多くの脚本を手がけてきた倉本氏。人間が本来的に抱える孤独や寂しさ、そして人生の素晴らしさを描く中で、その根底には必ず「愛情」の表現があった。

 それだけに、世間をにぎわせている広末涼子(42)の不倫騒動についても言及。「愛というのは不倫以前に永遠のもの。広末さんを責めたいなんて僕は思わない」と擁護。「自分だって頑張りたいと思っているよ。クリント・イーストウッドを超えていきたいね」と65歳差の熱愛が話題となった同監督を引き合いに、88歳にしてなお愛に貪欲な姿勢を見せた。

 「もう少ししたら死んでしまうから、生きている間にこの作品を書きたいと思った」。そう言いつつも、現場を見つめる視線の眼光は鋭い。創作意欲も愛も、当分枯れることはなさそうだ。(吉澤 塁)

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