【前回の鎌倉殿の13人】第42話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「八田知家 古希の夢…パワー!船よ動け」

[ 2022年11月13日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第42話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「八田知家 古希の夢…パワー!船よ動け」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は13日、第43話「資格と死角」が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第42話(11月6日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。物語は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の決戦「承久の乱」へと向かう。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑んだ。

 第42話は「夢のゆくえ」。宋の技術者・陳和卿(テイ龍進)の下、八田知家(市原隼人)が世話役となり、3代鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)の“夢の渡宋計画”が進められた。

 知家は三善康信(小林隆)に「俺はこの仕事を最後に、隠居しようと思っている。若く見えるが、実は、あなたとそう変わらない。ああ、最後に夢のある仕事に出会えた。この船が完成すれば、思い残すことはない」――。この時、建保4年(1216年)。知家の生年は不明だが、康信は1140年生まれの76歳。知家も70代の可能性がある。

 そして、ついに進水式を迎えたものの、船が浜にめりこんでしまった。陳和卿は「(図面の)値が違う。これでは船が重すぎる!」。知家は上半身裸になり絶叫、康信も腰を痛めながら御家人たちと船を引っ張ったが、ビクともしない。実朝と知家の夢は破れた。

 「牧氏事件(牧氏の変)」により故郷・伊豆へ流罪となっていた北条時政(坂東彌十郎)を、北条泰時(坂口健太郎)と平盛綱(きづき)が見舞う。時政は坂東の女(おなご)・サツキ(磯山さやか)の尻に敷かれながらも、穏やかな暮らし。4人は里芋を食べながら笑い合い、心温まるひと時を過ごした。

 「北条時政は、この後、78年の生涯を閉じた。鎌倉を追われてから、10年後のことである」(語り・長澤まさみ)

 今回の“大河絵”は「セクシー」と大反響を呼び続けた知家の肉体美、愛すべき“ポンコツ親父”時政の笑顔、実朝のためなら体を張ることも厭わない康信の奮闘を1枚にまとめた。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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