スタレビ根本要 喉頭がん治療中のVOHへ「半年治療で治る。簡単じゃないけど、あとはヤツの頑張り」

[ 2022年11月6日 19:05 ]

大阪市内でインタビューに応じた「スターダスト☆レビュー」の根本要
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 人気ベテランバンド「スターダスト☆レビュー」の根本要(65)がこのほど、大阪市内でスポニチの取材に応じ、喉頭がん治療で半年間の休養を発表したパーカッション担当の林“VOH”紀勝(62)について語った。10月に幕を開けた3年に及ぶ全国ツアー「ブギウギ☆ワンダーレビュー」では、VOHの不在を補うべく前向きに燃えていた。

 VOHの休養が公表されたのは10月4日。本人が動画で「8月に、飲み込む時にノドに違和感を感じて受診したら、喉頭がんが見つかった。早期発見で約半年治療すればまたツアーなどに復活できると言われまして…」と報告し、治療専念のためツアーを半年間休むと説明した。

 6月に「スタ☆レビ40周年 東西あわせて108曲 煩悩ライブ」をさいたまスーパーアリーナと大阪城ホールで開催。節目の大イベントをメンバー全員で迎えられたことを喜んだばかりだった。動揺がなかったわけはないが、全員60代。根本は「正直、何があってもおかしくない。僕の脊柱管狭窄症も、柿沼(清史)のアキレス腱断裂もあったしね。2人に1人ががんになる時代と聞くし、受け入れる心の方が大きかった」という。

 VOHは手術は受けず、抗がん剤と放射線治療になるという。「そんなに簡単なことじゃないけど、お医者さんが“半年かからず治る”って言ってくれてるから、それを信じてね。あとはアイツの頑張り」とエール。「俺らがやってりゃあ、ヤツも早く戻んなきゃって頑張る。同じような状況で闘ってるファンの方にも、俺らがヤツの状況を伝えながらやれればきっと励みになるし、VOHが戻って来た時には“自分も”って思ってもらえるはず」と、根本は考えている。

 10月からのツアーではVOH不在の間、メンバーの生演奏に、過去の音源からVOHのパーカッションとコーラスのデータを抜き出したものを重ねて流す手法をとる。サポートのパーカッショニストを入れる手もあったはずだ。そこにメンバーやスタッフからVOHへの愛情を感じずにいられない。

 「僕らの曲は数えると351曲ある。日替わりで披露しようとなると対処できる人はいないんだよね。あいつの声や音を流すなら、書割(VOHに見立てた等身大パネル)ぐらい作って舞台に置くか、ってね」と照れ隠しのように笑った。「アクシデントもプラスに考えて、前向きにネタにしようと。初日にVOHの嫁さんが見に来てて、感動して帰って行ったからね」と明かし、「ちゃんとヤツに対する愛情も、居ないことの不足も見せながら、楽しくライブやれたかなあって気がしてる」と語った。

 「愛情?そうね。メンバーに対する、そしてお客さんに対する愛情。それしかない。それでスタレビは回ってるんだと思う。この人がいてくれるから、こういう状況があるから、俺たちは幸せに暮らしていけるという感謝。年食うとそういう風になるんだよね。とってもいい空気が会場には今、ありますよ」。ピンチも前向きに。そんな思いは、メンバーからファンへしっかり届いているようだ。

 《前ツアーの映像作品&音源が発売中》4人全員で回った前ツアー「スターダスト☆レビュー 40TH ANNIVERSARY 年中模索~しばらくはコール&ノーレスポンスで~」のDVD、Blu-ray、ライブCDが先月、リリースされた。自身らの年齢を前向きに表現したアルバム「還暦少年」(2020年)がメンバーやファンに受け入れられたことで、根本は「僕自身の枠が広がり、(次作)年中模索につながった」と話す。ライブも遊び心満載で、コロナ禍での制限を逆手に取った数々の工夫や仕掛けがあり、ファンへのサービス精神が随所にあふれている。そんな流れを受け、「今回のツアーでもアイデアがどんどん出てくる。今までわざと歯止めしてた部分を考えなくてよくなったから、僕にとっては“年齢万々歳”」と満面の笑みだった。

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