「鎌倉殿の13人」市原隼人“人生一の難役”も…セクシー八田知家の人気は“予想外”「死ぬほどうれしい」

[ 2022年11月6日 20:54 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第42話。引退を宣言した八田知家(市原隼人)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は6日、第42話が放送され、3代鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)の“夢の渡宋計画”が描かれた。俳優の市原隼人(35)が唯一無二の存在感を発揮し、胸元をはだけた着こなしなどが「セクシー」とSNS上で反響を呼び続けた常陸の御家人・八田知家が隠居を宣言した。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。物語は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の決戦「承久の乱」へと向かう。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑んだ。

 第42話は「夢のゆくえ」。忠臣・和田義盛(横田栄司)を失った3代鎌倉殿・源実朝(柿澤)は、後鳥羽上皇(尾上松也)を手本として自ら裁定を下していくと決意を新たに。北条泰時(坂口健太郎)をそばに置き、自身の政を進める。一方、鎌倉における地位を盤石とした北条義時(小栗)は、のえ(菊地凛子)に勧められて執権を名乗ることを決断。未熟な実朝たちをけん制する。実朝と義時の関係がうまくいかないことに政子(小池栄子)が気をもむ中、源仲章(生田斗真)が京から戻り…という展開。

 仲章が連れてきたのは、宋の技術者・陳和卿(テイ龍進)。いきなり泣き始め、前世、実朝が医王山の長老、自分はその門弟だったという。実朝は以前、この光景を夢に見たと驚き、夢日記につけていたと仲章たちに証拠を示した。船にまつわる話があるのではと水を向けると、陳和卿は「大きな船を造りましょう」。八田知家(市原隼人)が世話役となり、由比ヶ浜で「唐船建造」が始まった。

 泰時は仲章が夢日記を盗み見した可能性を進言。西への警戒を強める義時が圧力をかけ、中止になりかけたものの、船に御家人の名を入れるという泰時の提案や三善康信(小林隆)の懇願などにより続行。予定通り、完成のメドがついた。

 実朝が現場を視察した際、知家は康信に「俺はこの仕事を最後に、隠居しようと思っている。若く見えるが、実は、あなたとそう変わらない。最後に夢のある仕事に出会えた。この船が完成すれば、思い残すことはない」――。この時、建保4年(1216年)。知家の生年は不明だが、康信は1140年生まれ。70代の可能性もある。

 実朝と知家の夢が近づく中、深夜、北条時房(瀬戸康史)とトウ(山本千尋)が船に忍び込む。時房は図面に何か書き込んだ。

 そして、建保5年(1217年)4月17日、ついに進水式。しかし、船が浜にめりこんでしまった。陳和卿は「(図面の)値が違う。これでは船が重すぎる!」。知家は上半身裸になり絶叫、康信も腰を痛めながら御家人たちと船を引っ張ったものの、ビクともしない。

 「陳和卿の指示に従い、人々は午の刻(午前11時~午後1時)から申の刻(午後3時~5時)まで、力の限り船を引いたが、海に浮かべることはできなかった」(語り・長澤まさみ)

 高台の観覧席。義時は「重さの勘定を誤ったか」と冷ややかな表情。時房は「そのようですね」。夢破れた実朝は涙し、呆然。政子は背後から息子を抱き締め、慰めた。

 「その後、船は浜辺で朽ち果てた姿をさらし続けたという」(語り・長澤まさみ)

 番組公式ツイッターに公開された「かまコメ(撮影直前・直後の音声コメント)」。自ら引退を決めた知家について、市原は「自分ではない誰かの思想で未来を決めるのではなく、己の道を自分で決めていくというのが八田らしいなと思いました。どの時代も、時代につくられてしまう人間が多いと思うんです。その中で、時代につくられるのか、時代をつくるのかというと、知家は『自ら時代をつくってやろう』と。存在意義を、精いっぱい旗を振りながら『俺はここで生きているんだ』というのを、必死に汗をかいて。それが決して押しつけではなく、誰かに認めてほしいわけでもないと思うんです。自分を納得させるために自分で自分の生き方を選ぶ、自分の主君は自分であるという思いでずっと演じていました」と述懐。

 「人生で一番悩みました。難しかったです。この役は本当に難しかったです。ただ、この八田知家という役を通じて、今回この『鎌倉殿の13人』で、こんなに愛をもらえるとは思っていなかったです。本当に死ぬほどうれしいです。何にも代えられない財産を頂きましたので、本当に素敵な、貴重な経験をさせていただいて心から感謝しています」と“予想外”の人気に喜び。一際の愛着を示した。

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