ロス疑惑担当の“無罪請負人”弘中惇一郎弁護士 痴漢えん罪は「女性の言い分が通っちゃう」

[ 2022年6月17日 14:29 ]

弘中惇一郎弁護士
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 刑事弁護のベテランである弘中惇一郎弁護士(76)が、16日深夜放送のテレビ東京系「じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~」(木曜深夜0・00)にゲスト出演。痴漢えん罪について語った。

 弘中弁護士は、1980年代にアメリカ・ロサンゼルスで起きた傷害・銃撃事件「ロス疑惑」で妻への銃撃、殴打事件で容疑者となった三浦和義氏(故人)の弁護を担当し、最高裁で無罪を勝ち取るなど“無罪請負人”の異名を持つ。

 痴漢のえん罪について「基本的には警察とか検察、あるいは場合によっては被害者の方の思い込みですよね。思い込みでストーリーを作っちゃうと、ストーリーに合わない事実が軽視、無視されてストーリーに合うものばかり集めちゃう。痴漢えん罪は女性の言い分が通っちゃう」と言及した。

 さらに「痴漢はあまり他に証拠がないんですよ。動機もないし(被害者と加害者が)見ず知らずだし目撃者もいない。しかも満員電車の中でその人が触ったのかどうか、あれでしょ(分からない)」と証拠が少ない事件とした。

 その上で「女性は1回捕まえちゃうと、絶対、犯人だと思い込んじゃう。女性は最初は(証言に)あいまいな部分があっても検察とか警察が知恵を付ける。“こういう風に喋らないとダメだ”と。だから、証言に出る時にはどういう風に喋ればいいかを完璧にマスターしてから来る」と指摘した。


 「捕まえた以上、絶対犯人に決まってると思うんですから、そこで“間違いでした”となると、自分の責任になっちゃうから怖いわけですよ。そこを検察や警察がこうやらなきゃダメ、そんなこと言ったらいけないと教える」と語った。

 また、痴漢扱いをしてきた女性を名誉毀損(きそん)で訴えることはできるのかという問いには「女性の方が意図的にやれば別ですよ。そうじゃなくて、思い込んでの過失ですよね。それはね過失の名誉毀損はない。罰せられません」と答えた。

 弘中弁護士は痴漢で逮捕された際、強制わいせつと迷惑防止条例違反のどちらかの容疑で逮捕されるとし、強制わいせつは必ず懲役刑となるが、迷惑防止条例違反だと罰金刑が多いとした。

 そして、「逮捕されると罰金だけ払って終わりにしようと思うけど、いろんな社会的制裁が続くんですよ。前科ついてますから」とえん罪だとしても罰金で済むならと、やっていないのに認めてしまうケースもあるが、前科が付くと警鐘を鳴らした。

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2022年6月17日のニュース