BTS ホワイトハウスでバイデン大統領とキュンです 異例招待にファン熱狂

[ 2022年6月2日 05:30 ]

ホワイトハウスでバイデン米大統領と記念写真に納まるBTSのメンバー(所属事務所提供)
Photo By 聯合=共同

 韓国の人気音楽グループBTS(防弾少年団)が5月31日、米ホワイトハウスを訪れ、バイデン大統領と面会した。海外アーティストがホワイトハウスに招待されるのは異例。新型コロナウイルス感染拡大で露呈したアジア系に対する根強い差別への懸念や、多様性の大切さを訴え、憎悪犯罪(ヘイトクライム)撲滅を呼びかけた。11月に中間選挙を控えるバイデン氏としては、BTSとの連帯で有権者へアピールする狙いもありそうだ。

 面会に先立ち、メンバーはホワイトハウスの記者会見場で報道官とともに会見。そろいの黒いスーツとネクタイで登場し、7人全員が順番に発言。リーダーのRM(27)は「アジア系へのヘイトクライムや多様性という重要な問題を話し合えることは、とても光栄だ」と語り、インスタグラムのフォロワー数が約4300万人を誇るV(26)は「今日が、互いを、そして全ての大切な人々を尊重し、理解するための1歩になることを願います」と訴えた。

 面会後、BTSの公式ツイッターには、バイデン氏とメンバーが、親指と人さし指を交差させて小さなハートマークを作る「キュンです」ポーズを取る写真がアップされた。メンバーは、政権のヘイトクライム撲滅対策などに感謝を示した。

 BTSは2年連続グラミー賞にノミネートされるなど米国でも人気を誇る。ホワイトハウスが連日インターネット中継する記者会見の視聴者数は普段それほど多くないが、米メディアによると、この日は25万人以上がアクセスしたという。さらに、ホワイトハウス周辺にも約200人以上のファンが集まり、熱気が高まった。

 会見は記者からの質問は受け付けなかったが、集まったメディア関係者もスマートフォンなどで熱心に撮影。BTSの去り際には「BTS、ファイティン!(頑張れ)」との異例の声援が飛んだ。

 米国はアジア系への「アジアン・ヘイト」が深刻化しており、5月が「アジア・太平洋諸島系米国人の文化遺産継承月間」。黒人やヒスパニック系、アジア系、性的少数者(LGBT)などマイノリティーを重要な支持層とするバイデン政権としては、中間選挙に向け、BTSとの面会でアジア系や若い有権者の票固めにつなげたいとの思惑もありそうだ。

 【BTSの世界的活躍】

 ◇国連でのスピーチ 2018、21年に米ニューヨークの国連本部で開かれた国連総会で演説。20年にも国連のオンライン会合で、ビデオメッセージを送った。

 ◇グラミー賞 21年には「Dynamite」で韓国歌手として初めて「最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)」にノミネートされ、22年にも「Butter」で同賞にノミネートされた。

 ◇青瓦台訪問 21年9月に、青瓦台(大統領府)を訪問して文在寅大統領から「未来世代と文化のための大統領特別使節」の任命状を授与される。

 ◇全米でもヒット 18年にアルバム「LOVE YOURSELF 轉 ’Tear’」、20年にシングル曲「Dynamite」でそれぞれ韓国歌手として初めて全米チャート売り上げ1位を獲得している。

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