「鎌倉殿の13人」藤内光澄、大手柄も理不尽処刑…好演の長尾卓磨も「無念 全く合点がいかない最期」

[ 2022年5月2日 10:45 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第17話。藤内光澄(長尾卓磨・中)を処刑する北条義時(小栗旬・右)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は1日、第17話が放送された。

 <※以下、ネタバレ有>

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第17話は「助命と宿命」。源義経(菅田将暉)の軍略が冴え渡り、連勝に沸く鎌倉方。しかし、木曽義仲(青木崇高)の討伐により、鎌倉に再び暗雲が立ち込める。義仲の嫡男・義高(市川染五郎)を危険視する源頼朝(大泉洋)は、戦勝報告のため源範頼(迫田孝也)とともに鎌倉へ戻っていた北条義時(小栗)に義高の処断を命令。大姫(落井実結子)を思う政子(小池栄子)は憤り、義高を救うため奔走する。一方、頼朝に試された義時は八重(新垣結衣)ら家族を思い…という展開。

 義高が伊豆山権現に逃れる作戦は成功目前にして失敗。功を焦った伊豆の武士・藤内光澄(長尾卓磨)が義高を討ち取る痛恨の結果となった。

 光澄処断の命が義時に下る。りく(宮沢りえ)は「あなたも妻子を持たれて分かったのではありませんか?あなたのお命は、もうあなたのものだけではないのですよ」。義時は覚悟を決めた。

 父・武田信義(八嶋智人)とともに義高に頼朝討ちを持ち掛けていた一条忠頼(前原滉)が頼朝の前へ。頼朝は「此度はそなたが一番手柄じゃ。そなたがいなければ、義高を逃しておったぞ」。忠頼の背後を御家人たちが固める。「で、義高と何を話した。さらばじゃ」。義時は「一条忠頼、源義高をそそのかし、鎌倉殿への謀反を企んだ、その咎によって成敗いたす」――。その口ぶりは、梶原景時(中村獅童)が上総広常(佐藤浩市)を斬った時のよう。仁田忠常(高岸宏行)が背後から忠頼を斬った。義時に表情はない。

 義時の立ち会いの下、光澄も頼朝の御家人が斬る。光澄は「なぜだ…。なぜだー!」と絶叫。工藤祐経(坪倉由幸)は義時に「怖い所だ、この鎌倉は。私が生きていくところではない」。義時は「ようやく分かりましたか。他に行く所があるのなら、一刻も早く出ていくことをお勧めします。私にはここしかない」――。

 義時は光澄を川にさらしてあると政子に報告。政子は「殺せなどと言った覚えはありません」と動揺。義時は「姉上は決して許さぬと申された。鎌倉殿もそれを重く受け止められた。姉上、あなたの許さぬということは、そういうことなのです。御台所の言葉の重さを知ってください。我らはもう、かつての我らではないのです」――。

 息子の金剛を抱く義時は「父を、許してくれ」と涙に暮れた。

 番組公式ツイッターによると、史書「吾妻鏡」には「元暦元年(1184)6月27日条 藤内光澄が梟首(きょうしゅ)されました。これは、去る4月に大姫が慕う源義高を討ち取った光澄に対し、政子が憤慨したためです」とあるという。

 SNS上には「理不尽の極み」「主命に従っただけなのに殺された藤内光澄の理不尽な死こそが鎌倉の象徴なんだな」「演出というか構図が見事だったと思う。遠めの視点から、どこか第三者に『不合理』を見せてくる構図とスタイル」などの声が続出した。

 長尾は1日夜、自身のツイッターを更新。「オンエア日当日に半ば偶然、呼ばれたような、自ら足を運んだような。源義高氏・藤内光澄氏、またすべての歴史の中で生きていらした方々に敬意と感謝を込めて手を合わせてまいりました。ありがとうございました」と清水八幡宮(埼玉県狭山市)を訪れたことを報告した。

 番組公式ツイッターに公開された光澄役・長尾の「かまコメ(撮影直前・直後の音声コメント)」(51秒)は以下の通り。

 ▼源義高を討ち取った藤内光澄「苦労が報われるのと、これで出世できるという『一世一代の大勝負に勝った!』みたいな気持ちでした」

 ▼処刑されて「無念です。ただただ無念です。訳が分からないですよね。(光澄は)『自分の人生、何か間違えていたのかな?』というふうに考えたんですかね。どこで、どう、何がどうなって、こうなってしまったのかということに対して、全く合点がいかない最期だったんじゃないでしょうか」

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