宮本茉由 「化けられる女優に」

[ 2021年7月9日 09:00 ]

「カメレオンのように変われる女優になりたい」と話す宮本茉由
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 【牧 元一の孤人焦点】日本テレビのドラマ「ボイス2 110緊急指令室」(10日スタート 土曜後10・00)に警察官役で出演する女優の宮本茉由(26)がインタビューに応じ、「いろんなものに化けられる女優になりたい」と胸の内を語った。

 2017年から女性ファッション誌「CanCam」専属モデル。翌18年にドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」で女優デビューした。

 「モデルと女優はどちらも楽しいですけど、やっている時間が長いモデルはホームの感じ。女優は戦(いくさ)で、毎回、『きょうも監督に良い演技をしたと思われるように頑張るぞ。戦いに行くぞ!』という感じです」と明かす。

 例えば、脚本に記されたセリフの表現方法。撮影現場で監督から、さまざまな表現を求められた時に即座に対応できるように、いくつものパターンを準備している。

 「いくら答えを用意しておいても、監督が求める答えが違う時もあります。いかに1回で答えられるかが、私の戦いだと思っています。演技をして、監督にほめてもらって、私の答えが合っていたんだと思う時が楽しいです」

 芝居への取り組み方に学問っぽさが漂う。元々、自分が関心を抱くことを勉強するのが好きで、最近は危険生物、特にサメに関して調べたという。

 「自分がもし、サメのいる海に取り残されたら、どうやって生き延びようかと考えました。サメにもいろんな種類があって、このサメなら逃げられそうとか、このサメなら戦うしかないとか、サメの泳ぐ速さによって対応が違います。サメは鼻が急所なので、鼻を触るだけでひるみ、パンチを当てれば気絶するくらいになるとか。ホオジロザメは空腹じゃない限り、こちらが攻撃しなければ攻撃してこないので見定めようとか…。実験できないので、実際にどうなるかは分かりませんけど」

 学生時代には、第2次世界大戦に関心を抱き、鹿児島・知覧町を訪問。特攻隊員の遺品や資料が展示されている「知覧特攻平和会館」などを見学して回った。

 「特攻隊員の写真や資料を見ると、自分より若くて、なんとも言えない気持ちになりました」

 10月撮影開始の主演映画「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」(来年公開予定)は作家・太宰治の小説の映像化で、終戦後間もない日本が舞台になっている。

 「あの時代の女性は、とても強かったと思います。男性がみんな戦争に行ってしまった中で生きた人たちですから。日本に戦争があったことを踏まえながら演じられれば、と考えています」

 映画は初出演にして初主演。周囲の期待、本人の器の大きさを感じさせる。

 「いろんなジャンルで演じられる女優になりたいです。モデルではメークによってキュートな顔、クールな顔、ファニーな顔になれるので、演技でもカメレオンみたいに変われる女優になりたいです」

 まずは今月からドラマ「ボイス2」の警察官役の芝居を楽しみたい。

 ◇宮本茉由(みやもと・まゆ)1995年(平7)5月9日生まれ、秋田県出身の26歳。2016年に「第1回ミス美しい20代コンテスト」で審査員特別賞を受賞。女優として19年のドラマ「監察医 朝顔」、20年のドラマ「トップナイフ─天才脳外科医の条件─」などに出演。オスカープロモーション所属。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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